https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57568?page=2

石破茂氏が経済論、憲法論議で犯してしまった「致命的なミス」

今後、池上氏は窮地に立たされるかもしれないが、間もなく窮地に立たされそうな人物が

あと二人いる。

今週は、なんといっても20日(木)の自民党総裁選投開票に注目が集まる。

もろもろの情勢を分析すると、選挙結果はもう決まったようなもので、安倍総理の勝ちであろう。

心配なのは石破氏だ。安倍総理と石破氏の違いについては、本コラムですでに述べている

(例えば、2018.08.20「憲法、財政、本当にそれで大丈夫…? 石破氏総裁選出馬に抱く懸念」 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57106 )が、その後も、石破氏は「ほんとうに大丈夫か?」という感想を抱くしかない発言を繰り出している。

たとえば、石破氏は9月2日、高知の浜口雄幸記念館を訪問し、これまでに繰り返し

男子の本懐』を読んだことが報じられた。これは故・城山三郎氏の著作で、第一大戦後の

日本の不況をなんとかしようとした政治家・浜口雄幸の姿を描いたものだ。

しかし、残念なことに『男子の本懐』に書かれている浜口雄幸の金解禁等の政策は、今の経済史では「デフレを招く原因となり、失敗だった」と理解されている。その意味で、経済政策論議の中で『男子の本懐』を出すのは、ミスリーディングといわざるをえない。歴史の教訓に学べば、

経済政策について論じるなら高橋是清の政策(リフレ政策)をあげるのが正しい。

憲法改正についての議論でも驚いた。8月30日の読売新聞では、もし憲法改正を行うなら

どこから手を付けるかの議論の中で、「共産党まで含めた、賛同得られるものから改憲を

とコメントしている。それ以前にもテレビで同様の発言はあったが、それは口が滑っただけと

思っていたら、どうやら本気なのだろう。これではまるで「護憲派」である

石破氏は総裁選後、再び自民党を飛び出し、野党再編の核になるという見方すらでている。

筆者には、離党経験があるが復党した石破氏が、まさかそうした行動はとらないと思うが、

石破氏は、第二の小沢一郎になるとの予想も確かに一部にあるようだ。

敗北後の石破氏の身の振り方がとても心配だ。北海道地震を「国難」ととらえて、

潔く総裁選出馬取りやめをしたほうがよかったのではないだろうか。

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池上氏については、9月7日に放送されたフジテレビ「池上彰スペシャル」についても批判されている。この番組で、子役タレントが20人以上出演していたからだ。八幡氏のケースも、子役タレント出演のケースでも、筆者からみると、ソースの明示(クレジット)をきちんとしていないことが問題ではないか、と思っている。

学者なら、取材協力者としてクレジット表記をしてくれればOK、という人もいるだろう。

「クレジットなしでも、そこそこの報酬がもらえるのであればいい」というジャーナリストも

いるだろう。まず、その協力者を番組に出演させればまったく問題なし、だ。

たとえ「出演なし」でも、クレジット表記か、協力に見合う報酬があれば多分問題なし、のはずだ。「出演なし、クレジットなし、報酬なし」ではやっぱり酷いと言わざるを得ないだろう。

池上氏は他人の意見を自分の意見のように言うことはない、としているが、これだけ似たような体験をした人がいるとなると、全面否定が通じるだろうか、という疑問も出てくる。モリカケ問題のとき、マスコミは「疑われた場合、挙証責任は疑われた側にある」というとんでもない論法を仕掛けていたが、これに即するなら、池上氏がどのような対応をとるのか興味深いところだ。