札幌市と地震  過去と将来の液状化現象 | 札幌の不動産屋の言いたい放題

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以前は不動産の真面目なブログを書いてましたが、そっちは新しいブログに移しました。
不動産の事に限らず、映像作品や食べ物や人生など色々なことを書いてゆきます。

半年前に書いた『札幌の地盤について 地盤沈下と液状化の目安』という記事が、
不動産調査以外では結構安定的なアクセスがあって、
皆さん地盤については関心が深いんだなーと思いました。

結局信憑性のあるデータというと自治体のホームページを見るのが一番なのですが、
それにしたって分かりづらいというのがホントのトコロ。
多くの人がざっくりとした説明を求めているのでしょう。
(とはいえ、自治体がざっくりとした事書いていてもそれは困りますけどね)

札幌市は地震とは縁遠い土地だと思い込んでいました。
しかし、三十路を前に札幌に戻って、不動産業に携わるようになったキッカケが、
東日本大震災だった事もあって、札幌市と地震の関係に関心を持つと、
札幌市も決して地震被害とは無縁ではないという事を認識するに至りました。

前回のざっくりとした説明は好評だったようですが、
あまりざっくりとしすぎるのも本質を見失い兼ねないので、
今回は各種研究機関の資料へのリンク集としました。

◆2003年(平成16年) 日高沖地震
 平成16年の日高沖地震では、美しが丘の住宅街で、液状化現象が発生しました。
 もともと、沢を埋め立てて造成した土地だった為、土中の水分含有量が多かったようです。
 当時、インターネットは普及していたため、各種情報はアップロードされたものの、
 その後10年ほどのネット環境の改変により、ページの削除やリンク切れが多発しています。
 写真が充実していて、状況が分かりやすいものをピックアップしました。
  ○2003年日高沖地震情報 (独立行政法人産業技術総合研究所)
  ○平成15年十勝沖地震による液状化現象の速報写真 (日本地理学会)
  ○2003年十勝沖地震 被害調査速報 (飛島建設技術研究所)
  ○2003年十勝沖地震による地盤災害について (公益社団法人土木学舎)

◆過去の液状化跡の発見
 遺跡発掘現場などで、過去に液状化現象が発生した痕跡が発見されています。
 紀元、中世、19世紀の3度、大きな地震に伴う地盤沈下が確認されています。
 札幌市は地質的に泥炭地火山灰地が多くなっているため、
 地盤が軟らかく、液状化被害が発生しやすい環境なのです。
  ○地下資源調査所ニュース 1997.10 (独立行政法人産業技術総合研究所)
  ○地質ニュース 520号 (地質調査総合センター)
  ○札幌市とその周辺の歴史地震と最近の地震活動 (北海道大学地球物理学研究報告)

◆将来の地震・液状化に備える
 そんなこんなで、過去の液状化現象が判明し、日高沖地震が発生し、
 札幌市でも地震対策への動きが高まってきました。
 平成20年9月、札幌市は『第3次地震被害想定』を発表しました。
 『第3次』というのは阪神淡路の後の、平成9年の『第2次』の見直し案だという意味ですね。
 現在の防災マップや液状化危険度図は、これに基づいて作成されています。
  ○第3次地震被害想定 (札幌市)
  ○地震防災マップ (札幌市)

今後も引き続き地震について取り上げていきます。