あの震災での関東の埋め立て地の液状化は非常に大きなインパクトがありました。
1メートルも隆起したマンホールはどこかシュールで、『びっくりニュース』のような扱いを受けていた記憶があります。
津波や原発の災害は本当に傷ましい状態でしたから、その反動もあったのかもしれません。
液状化現象や地盤沈下で直接亡くなった方は少ないので、扱いやすいという面もあったのでしょう。
ただ、その後間もなく取り上げられたように、地盤沈下・液状化が発生した土地を所有していた方は大変です。
ローンが残っているのに家の修繕の為に更なるローンを組まなければならない、二重ローン問題や、
液状化が起こりやすい土地という事で土地の価格が下落したという例は多くあります。
札幌は海に面していない都市ですから、埋め立て地と言っても馴染みがありません。
とはいえ、過去には石狩川水系の流域を変更するための埋め立てがありましたし、
何より札幌の地盤を象徴するワードは『泥炭地』です。
泥炭とは、寒冷地で水分を多く含んだ植物が分解されずに積もって泥のようになったものです。
札幌には泥炭地が多く所在しており、泥炭は水分を多く含んでいるため、地盤が弱いのです。
写真はとある空き地にある水道メーターを撮影したものです。
特に大きな地震がなくとも、長い年月をかけた地盤沈下がこんなに起こっているのです。
これだけ『沈む』わけですから、建物の耐久性にも大きな影響を与えます。
不動産を選ぶ際には、地盤についても十分に考慮して物件選定をしましょう。
具体的な地盤沈下・液状化の予想情報は、札幌市が提供しています。
まぁ、大変見づらい図ですから、目安をお伝えします。
大まかな目安としてJR函館本線の線路の北側は、泥炭地になっているといわれています。
更に、札幌新道より外側はさらに地盤が弱くなるとも言われています。
まぁ、地盤が弱い土地はその分安いですから、その辺は考え様ですね。
(JRの線路・札幌新道の例はあくまで『目安』であって、例外は存在します。)
このように(西から)手稲区、北区、東区、白石区は地盤が弱い土地が多くあります。
では、それ以外の土地は大丈夫なのかというと、そうとも言えません。
南区、西区、中央区(宮の森、盤渓など)、清田区は土砂崩れの恐れがある土地もあります。
過去の状況の調査と、欲を言えばボーリング等で専門家に調査を依頼するのが望ましいといったところでしょうか。
或いは、軟弱地盤に家を建てる時には、『杭』を深く・多く打つというのも有効な手段です。
どちらにしても、万全を期そうとすればするほど、費用が掛かってしまいますが・・・
まぁ、株式にしろ債権にしろ、時には現金にしろ、あらゆる資産にリスクは存在する訳で、
その辺はあまりリスクばかり取り上げても仕方がないのかなぁ、と思う部分もなくはありません。
私は宅建主任者として、過去の状況調査や公的な災害予測情報を調査し、『重要事項説明』としてお伝えしています。