発達障害(自閉症スペクトラム)を抱えている教え子がいます。
彼は小学校まで支援級にいました。
人に危害を加えることはありませんが、ちょっとしたことでパニックになったり、人とのコミュニケーションが極端に苦手で誤解されたりと、日常生活においては、どうしても変わり者扱いされることが多いようです。
このまま公立中学校に進んだら、間違いなくイジメの対象にされるだろうと考えた親御さんは、私立の中高一貫校を受験させることにしました。
知能は問題なかったので、彼は無事、中学受験を乗り越えました。
でもあろうことか、中学の担任は学歴第一主義の考えのようで、発達障害に全く理解を示さない先生だったそうです。
親御さんも、子供同士のトラブルはある程度覚悟していたものの、まさか担任の先生とまでトラブルになろうとは思ってもいなかったようです。
担任との関係が悪化し「もう学校に来なくてもいい」といった発言までされたこともありました。
そのせいで、彼は中1で早くも不登校になりかけ、一時は退学まで考えました。
かろうじて完全な不登校にならずに済んだのは、クラスに1人だけ仲良くしてくれるお友達がいたからだそうです。
そのお友達は勉強も運動もトップクラス。でも、どこか地味な感じの子で、親御さんの印象では将棋の藤井聡太棋士にどこかしら似ているということでした。
やはり、本当のエリートは勉強が出来るだけでなく、人間としても素晴らしいということですね。
ただの学歴エリートの担任とは器が違うようです(笑)。
そんなありがたいお友達のお蔭で、行ったり休んだりを繰り返しながらも何とか中学校を卒業できた彼ですが、高校入学後は何と1回も休むことなく皆勤賞を続けています。
その理由は、担任の先生が面白いからだそうです(笑)。
今回の担任は、一見アウトローの匂いをプンプンさせながらも、一本筋の通った正義感の強い先生だとか。
その先生の配慮もあって、彼は初めてクラスの一員として認められた気がして、疲れることはあっても、今は学校に行くのが楽しいと言っています。
お友達も3人まで増えたとご満悦のようです(笑)。
先生の接し方ひとつで、子供たちの環境ってこんなにも変わるものなんですね。
今まで何度も塾や家庭教師から断られ、一時は学校にまで見捨てられそうになった彼。
その彼が、私との授業の終わりによく言うんです。
「今日もこんな出来損ないの僕のために来てくれてありがとうございました」と。
そして、その親御さんもよくおっしゃいます。
「こんなうちの子のために来て頂いてすいません」と。
その言葉ひとつひとつが私の胸に突き刺さります。
発達障害は出来損ないなんでしょうか?
発達障害のお子さんを持つ親御さんは、なぜいつも謝らなければいけないんでしょうか?
教育って、いったい何なんでしょうか?
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