今でも時々、テレビで「鑑定団」を見ることがある、再放送も本放送も含めて。そして毎回のように中島誠之助を見かけ、決め台詞である

「いい仕事してますねぇ」

 という言葉を聞く。

 この言葉は実に味わいがある。「いい仕事」を見ると・受けると、本当に心から呟かざるをえない、「いい仕事してますねぇ」、と。

 レストランや食堂に入って、素晴らしい料理を出されると、やはり同じこの言葉が口を衝いて出てくる。

 そして逆に、だらしない仕事をしていると、特にそんな仕事によって被害を受けると、どうしたってこんな言葉が口を衝いて出てくるものである。

「いい加減な仕事してますねぇ」と。

 

 つい最近の「事件」で、ディスクユニオン新宿クラシック館、という会社にこの言葉を送りたいと思っていた。

 しかし、それは誤りであり、この会社は何も悪くないようだった。

 この会社には、今後とも中古のDVDを注文すると思う。これまでも10回以上は注文してきていて、つい最近の記録でも4回注文したことが確認できる。これまでは何の問題も無かったのだけれども、今回は注文した商品とは全く別の商品を送ってきた上に、電話で問いただすと、

「アマゾンが貼り付け画像を間違ったみたいです」

 と、ノンシャランとアマゾンに責任転嫁しているように、思えた。

 私は、「アマゾン」のような大企業がそんな間違いをするとは鼻から考えてもいなかった。しかし、後で書くけれども、本当に「アマゾン」がいい加減な仕事をしていたのであり、ディスクユニオン新宿クラシック館には全く非は無かった。

 

 ビゼーの「真珠採り」は、劇中のアリア、「耳に残るは君の歌声」で有名なオペラである。フェニーチェ劇場コレクションの中に入っているものしか私は持っていなかったし、いまひとつ感動できない演出演技だったので不満に思っていた。

 アマゾンで見ると、メトロポリタン劇場のオペラがDVDとしてあり、中古品が安い価格でディスクユニオン新宿クラシック館から出ていた。私は早速注文した。3日後に注文した品が届いたのだけれども、封を切って取り出したときの私のショックは相当なものだった。中からはメットの作品ではなくフェニーチェ劇場の、私の持っている、あのダメな演出のDVDが出てきたからである。

 私はてっきり、新宿の店が間違ったのだと思った。

 電話をすると、受取人郵送料負担で送り返してくれとのことだったが、そんな面倒臭いことを引き受ける「義理はない」ので、東京に行ったときについでに店まで届けることにした。新宿にある美術館に行く予定がある。

 

 メットの「真珠採り」は、やはり欲しいので、他の販売店を再びアマゾンで探すと、バリューブックス、という会社が出品していたので、それを注文した。

 で、そのメットのものが近日中に届くようなので、今日サイトで確認してみたのだけれども、なんと、また、フェニーチェ劇場版のDVDが送られてくることになっているのである。

 注文画面はメットの作品、しかし発送したという商品の画面はフェニーチェのもの。

 新宿だけではなく、バリューブックスもそうなっているということは、アマゾンが画像を貼り間違えているということなのだろう。

 いい加減な仕事をしているのは、アマゾン、だったのである。

 

 バリューブックスのDVDは明日には届くだろう。しかし、この会社は本社が長野市である。長野市まで行く用事は当分ない。結局、郵送料受取人払いで面倒な小包処理を私がしなければならないのだろう。

 いい加減な仕事をしている会社のせいで、どれほど迷惑で面倒なことに巻き込まれることだろうか。

 しかも、この件をアマゾンに連絡するような受付サイトはないのである。当分は、誤った画像で注文してしまう他の消費者が出てくることだろう。

 ディスクユニオン新宿クラシック館もバリューブックス(こことも直近で4件の取引があり、どれも問題は無かった)も悪くはない。

 いい加減な仕事をしている組織(アマゾン)が、いかに傍迷惑なものであるかを、記してみた。