ブギウギ | 月猫の主題による狂詩曲(ラプソディ)

月猫の主題による狂詩曲(ラプソディ)

ピアノのこと、フィギュアスケートのことなど、きまぐれに綴ります。

私はNHKの朝ドラは毎朝は見ていないのですが

(というか時間的に見られない)

このブギウギは、週末にまとめて一週間分放送されるものを

時々見ていました。

 

気にはなっていたものの、時々しか見ていなかったので

結局最後がわからずじまいでしたが

総集編が先日放送されていたので、

見ることができました。

 

モデルとされる笠置シヅ子さんが

リアルで歌っておられる姿はもちろんのこと、

のちに女優業に専念されたその姿もTVで

リアルタイムに見た記憶はありません。

 

TVの懐メロみたいな特集でしか

歌声をお聴きしたことはないのですが

笠置シヅ子さんの声はもうちょっとワイルドな感じかなぁ。

趣里さんの歌声はちょっと上品すぎるかも。

 

この趣里さんが水谷豊さんと伊藤蘭さんの娘さんということは

途中から知ったのですが、きいてなるほど~

どっちにも似てるなぁと納得。

 

関東生まれの俳優さんがあれだけ関西弁のセリフを

まくしたてるのは大変だったろうなと思います。

笠置さんは東京にいってからも本当にあれだけの関西弁を

話されていたのでしょうか。

 

今の芸能界であれば、即座に標準語に変わりますよね。

以前に関西出身の小芝風花さんがデビューするにあたって

徹底的に方言を直された、と話されていたことがありました。

 

私も一時期、関東方面の方とお仕事をしたことが

あったのですが、なんだか関西弁で話すのに引け目を

感じて、なんちゃって標準語で

しゃべったりしていたことがありました。

しかし、あのスズ子が東京の言葉に染まらず関西弁で

通している姿を見ると清々しさを感じましたね。

自分が恥ずかしく思えました。

(王林ちゃんは凄い!)

 

買い物ブギなんて最高じゃないですか。

歌詞に散らばる関西弁のリズムの良さ、

おっさんの連呼、魚や野菜の名前の羅列

言葉遊びのような歌で、これぞエンターテイメントです。

 

しかし、今「わて」という人もあんまり

きかなくなりましたね。

確か私の祖母は「わて」と言っていたと思いますが

母は言わないです。

 

もう一つ、このドラマを見ていて興味をひいたのが

菊池凛子さん演じる茨田りつ子。

モデルはもちろんあの淡谷のり子さんです。

私の世代であれば、淡谷さんといえば

「ものまね歌合戦」の審査員として有名じゃないでしょうか。

そして、まだ現役で歌われていましたしね。

 

この菊池さんが淡谷さんのあのぼそぼそしゃべる特徴を

良くとらえて演技されていたのが面白くて。

実際には、もうちょっとぶすっとしたしゃべり方では

ありましたが。

 

ドラマ中、とても印象的なシーンがありました。

終戦になって茨田りつ子が話すシーンです。

「慰問先でね、特攻隊の兵隊さんに歌ったの。
年端も行かないあの子たちに言われたわ。
『思い残すことはありません』
『迷いはありません』

歌は人を生かすために歌うものでしょ。
戦争なんてくそくらえよ。」

 

これに対してスズ子が
「ほなら、これからはわてらの歌で生かさな。
今がどん底やったら、後はようなるだけですもんね。
歌えば歌うだけ、みんな元気になるはずや。」

 

歌手として、歌をきかせることが

死への覚悟を決めることになることなんて

こんなに辛いことがあるでしょうか。

本来、元気や勇気を与えるものであってほしいはず。

そういう世の中であってほしいと思いました。

 

ブギウギの総集編はNHK+で、まだ見られるようです。

よろしかったら是非!