私がモラハラ被害者の方と交流する際に、
絶対にこれだけは守ろうと思っていることがある。
それは、
「相手に自分の考えを押し付けない」
ことだ。


モラハラに遭って、戦いで得た経験は
貴重だし、それが別の被害者たちと共有できる事は
すばらしいことだ。
でも…

「自分の経験を話して、こんな方法もあるよと選択肢を広げてもらう」
    という気持ちが
「これが一番だから。こうするべきよ。何でしないの?しっかりしなさい!」
に変わったらどうだろう。

アドバイスは苦痛に変わってしまう。
発する方は叱咤激励のつもりであったとしても、
被害者はそうは受け取れない。
人に沢山アドバイスをもらっているのに、
実行できない自分に落ち込む。
何時までたってもぐずぐずしている自分を周囲が
見放すのではないかと不安になる。


まだこころの準備が整っていないのに、
「アドバイスしてくれる人に悪いから」
「モラ以外の人にも傷つけられたくないから」
見切り発車で動き出してしまったら…。
後で、「やっぱりもう少し待つべきだった」と後悔した時
動き出したのは自分自身だとしても、
それをせかした周囲の声に、恨みを感じることはないだろうか。
私は「恨まれないようにしましょう」と言いたいのではない。
自分で決めずにいて、その結果が不満だからと他人に恨みを持つ事は
人間としてとてもつらいことだから…


私自身が家を出た時、家を出る以外の選択肢は私の中にはなかった。
終わってみれば、「もっと早くに動けばよかった」とちょっと思うけど、べーっだ!
きっと後にも先にもあのタイミングしか無かったのだろうと思う。

あれより先に家を出ていれば、「もう少し頑張れたのではないか」と
後悔しただろうし、
あれより後になったらもう家を出るどころか
精神の危機にさらされていただろう。


(命と精神の危険さえ何とか回避できる状態なら、)
自分で納得行くまで考えて、それから動き出しても
いいのではないだろうか。
被害者は、ひどく疲れて傷ついてボロボロだ。
傷つける危険を冒してまで強く訴える事は、
それ相当の信頼関係がお互いに必要だと思う。

傷つけたりしてしまうぐらいなら、
いっそアドバイスなどしない方がいい。
傷つけるアドバイスなんて、被害者には必要ない。(きっぱり)



あ、言っときますが、これ押し付けじゃありませんからねっ。得意げ
ちょっと、つぶやいてみたかっただけですから~。