私と彼が初めて出会った日のことを書こうと思います。
2008年秋、私はメヘンディ(ヘナのペーストで身体にデザインを描くボディアート)とヒンディー語の勉強で、首都デリーに短期留学に来ていました。
インドに来る前から、留学の最後にはラージャスターン州(インド北西部の砂漠地帯🐪)を旅してから帰る、と決めてて。
なぜかとにかく無性に行ってみたかった。
実は、約2ヶ月半のインド滞在の間、不思議なことに、どこに行ってもずっと上から自分にスポットライトが当たっているような感覚がありました。
毎日が幸せで、充実していて、次々と起こるいろんな人との出会いや出来事がまた次の出会いに繋がって。とにかくインド生活が楽しくて仕方なかったです
トゥルーマン・ショー妄想じゃないけど、この私の日々を誰かが上から映画で撮影してるんじゃないか?と思うくらいドラマチックな毎日でした。
そんな中、デリーでの勉強を終えて、行きたかったラージャスターン州へ向かいました。
デリーから夜行バスに乗って。
バスの中はほとんどが男性。運よく女性がひとりいたので、その隣の席をもらえました。
バスの中では、テレビでインド映画が大音量でかかっていて、男性陣は大騒ぎ。
夜行バスってみんな寝るもんじゃないの?!
あまりにもうるさくて、車掌さんにテレビのボリュームを下げてもらえないか頼んだところ
「コットン、コットン!」と耳を指差して言われました。
うるさいなら耳に綿を詰めろてか
ザッツ・インディア。
早朝にの首都ジャイプールに到着。
ほとんど眠れなかったので宿で少し仮眠してから、とりあえず市内の観光地を回ってみようと、国営バスツアーに申し込みました。
バスの出発まで30分くらいあったので、チャイでも飲みたいなぁと通りをとぼとぼ歩いていたんです。
そしたら
「日本人ですか?」
と、インド人が声をかけてきた。
こんなの全然めずらしいことじゃなくて、インドの女ひとり旅なら30mごとに誰かから声がかかるくらい、インド人は放っておいてくれない。
男性からはお金目当てかデート目当てか、はたまた何の用もなく話しかけられることはしょっちゅうで、正直うんざりしていました。
(また来たか)最初はそう思いました。
でも次の瞬間、私はそのインド人に「私とお茶飲みませんか」と言ってしまっていた。
わ、なんでそんなこと言っちゃった、わたし?
そのインド人は、「え・・・僕、誘われたの初めて・・・」
私「あの・・・私も誘ったの初めてです・・・」
そんなわけで、私たちは向かいにあった食堂に入って、一緒にチャイを飲みました。
彼の名前はラジ。正直、第一印象は覚えていないです・・・
でもなんだか心地よかった。
話していく中で、ラジはアーチストで、子どもに楽器を教えているってことだったので、その夜は、その音楽教室を見学させてもらうことに。
「じゃぁ、観光ツアーが終わる17時くらいにまたここで会おう」
「OK」
参加した国営ツアーが長引いて、約束の時間にかなり遅れてしまいました。
インドでは、なんだかわからんが意味不明に待たされることがよくあるせいか、インド人は待つことについては辛抱強いと思う。
ラジは文句も言わず待ってくれていました。
彼のバイクの後ろにまたがって、音楽教室を兼ねた彼の自宅に向かったのでした。
つっこみラジの一言
あの日は、僕は友達と待ち合わせしてたんだ。
君を見かけて、日本人かなと思ったから思わず声をかけたんだよ。
お茶に誘われてびっくりしたけど、嬉しかったよ。
それと、待ち合わせの時間に間に合わないと、誰かに電話を借りて連絡くれたのはびっくりしたよ。
なんて誠実な人だろうと思った。約束しても守らない人はたくさんいるからね。