クリントイーストウッド監督、アンジェリーナジョリー主演による
チェンジリング――ミステリアスで壮絶なストーリー展開に引き込まれ、
2時間20分があっというまでした。
1928年 ロス。9歳の息子を女手一つで育てながら、忙しくも幸せな暮らしを送っていた
女性にとつぜん、息子の失踪という不幸がおとずれる。
腐敗しきった警察は真剣に探そうともせず、五か月後、息子さんが見つかったといって
まったく見知らぬ少年と引き合わせる。
手柄をアピールする警察は「月日が外見を変えたのだ」という……
やがて事態は予想もしない方向から急展開し、ロサンジェルス史上最悪の
陰惨な事件が明るみにでる。
愛する息子を取りもどすため、腐敗した警察と必死に闘う母親。
警察の不正と一人闘う牧師。
ストーリーは善と悪の白黒がはっきりした
実にアメリカらしい映画だけど、
実話を元にしているというから驚き。
マルコビッチ演じるブリーグレブ牧師や、ジョーンズ警部など
登場人物はほとんど実名なのだという。
アンジーはインタビューで北朝鮮拉致被害者の家族と同じ気持ちで演じたと
言っていたそうだけど、まさに観ている最中、横田夫妻のことが頭に浮かびました。
子供をとりもどしたいだけなのに、どうしても動いてくれない歯がゆく巨大な権力。
80年前の出来事とはいえ、一人の人間ではとても動かすことのできない政治や組織
と闘うという点では、今もまさにこの悲劇が現在進行中なんだなあと、
ひしひしと胸に響きました。
さて、ブラピには申し訳ないけど、今回はアンジーの勝ちかも。
これが、アカデミー作品賞にノミネートされていないのが不思議です。
(これも政治かと思ってしまう)
とにかく
ここ一ヶ月観た封切りの4作品のなかで、私のなかでは一番でした。