こんにちは!ここ最近、『Too Young』を連続して上げてるからか、新たに読んでくださってる方がいるようで…ありがたいです…!(^∧^)読み返してくれた方もいらっしゃって、本当に感謝でいっぱいです♪ありがとうございます!m(__)m






(S)


 前の方から、おお~っ!と歓声が上がる


タイムカプセルが、見つかったんだろう…

そんな深くまで埋めてなかったしな…

と、悠長にしてる場合じゃねぇっ…


チラリと隣の智を見ると…ぼ~っとしてるようで…まだ、掘り起こされたのに気づいてないかも…


今のうちに…と、元クラスメートを掻き分けて、前の方に移動すると…中身が開けられていて…


『あ、これ、俺のだっ』

『私の見つけた!』

『私のもあった』


て、皆、自分のをみつけてるようで、慌てて自分のを探す…

と、言っても、当時、学校側が用意してくれたレターセットだから、パッと見、どれも同じなんだよ…

てか、皆…20年後の自分に手紙かいてる奴が多いんだな…


「櫻井くん、これでしょ…」て、斗真が俺のジーンズのポケットに封筒をねじ込んだ…


「…名前、書いてあった?(智へって…)」


「うん、書いてあった、中、確かめてみたら?」


「…そうする」


「…大ちゃんがいないところのが、いいんじゃない?」


「…だな」


俺は、斗真が智の方に行ったのを横目に…今は使われていない飼育小屋の脇に移動する…


誰もいないのを確認して…ポケットの封筒を取り出して、その場に腰を落とした…


封筒に書かれた、薄れた宛名を見る…


『翔くんへ』


俺宛てか………… はっ?!


コレ違うじゃね~か…斗真の野郎っ…💦


てか、この手紙書いたの…智だよな…

俺のこと『翔くん』て呼ぶのあいつだけだし…

まあ、俺がそう呼べって言ったんだけど…


あの頃……クラスの奴らは俺のこと、『櫻井くん』か『サクショー』て呼んでた…

智は、『大野くん』か『大ちゃん』て呼ばれてて…

智も初めは、俺のこと『櫻井くん』て呼んでたけど、『お前は櫻井くんて呼ぶな』って…名前で呼べって言ったら、『翔くん』呼びになったんだよな…

俺は、皆と同じように呼ぶのが嫌で、勝手に『智』って、名前を呼び捨てしていた…


てゆーか、俺が書いた手紙は?!

腰を浮かしかけたけど…智が、あの頃、俺に何て書いたのか気になって、その場で読むことにする


封筒を開けて、中身を見ると…写真…?

取り出してみると…


嘘だろっ…


そこに入ってたのは、運動会で斗真のお袋さんが撮ってくれた…

俺と智と斗真の3ショットの写真だった…

同じの…入れてたんだ…


カサッ…


四つ折りにして畳まれた手紙を広げてみると…


『20年後の翔くんへ』と書いてあって……そこから続く文章から、思わず目を逸らしてしまう……

もしかしたら、恨みごとの1つや2つ書いてあるのかもな……


フッ!と短く息を吐き出し、気合いを入れ直して続きを読んでいく…


『僕は、翔くんと仲良くなりたかったです。翔くんは、今でも僕のこと、きらいですか?20年後の今なら、僕と仲良くしてくれますか? 大野智』


「…っ…」


(智っ…!)


はぁ……ホント、あの頃の俺に、蹴りを入れてやりてぇ…!


「…グスッ…」


ん? 今のって…


飼育小屋の横の倉庫に視線を向ける…

そこの裏から聞こえたよな…


立ち上がって、移動して、倉庫の裏を覗くと…


!?


涙目の智と目が合う…


「…智っ…!?」


「…ぅぅ……翔……くん…っ…?/////」




(O)


 ゆっくり手紙を広げると……


『20年後の智へ  意地悪してごめん!ずっと謝りたかった。20年後も、謝ることができてないのかな?本当は、ずっと仲良くしたかった。 櫻井翔』


翔くん…っ…/////


ずっと…謝りたいって思っててくれたんだ…


そういえば、他のクラスメートや仲が良かった子みたい、会話は無かったけど…

途中から、翔くんが僕に意地悪することはなかった気がする…


あ…れ……ちょっと…待って…


あの頃…時々、感じていた翔くんの視線…

僕は、勝手に、睨まれてるって思ってたけど…

もしかして、謝るタイミングを計っていたとか…


卒業式の日も、翔くんは謝ってくれようとしてたんだよね…

あの時は、僕、翔くんが嫌で逃げた訳じゃなかったけど…

翔くんが僕に意地悪しなくなってたのに……

ずっと翔くんを避けてたのは…僕の方だった…?


「…グスッ…」


翔くん…


さっきは、泣きそうになってたところで、斗真くんが声をかけてくれたから、涙引っ込んだけど…

もお…無理だ……

こみ上げてきた涙が、頬を伝うのが分かって…


え……?!


倉庫の陰から、翔くんが顔を覗かせた……


「…智っ!?」


なんで…ここにっ…?


「…ぅぅ…翔…くん…っ…?/////」


斗真くん……足止めしとくからって言ってたのに~…

あ…また、泣いてたら翔くんに呆れられちゃう?


そう思ってたら、翔くんが傍に来て…


「…1人で泣くなって言ってるだろ」て、片手で僕のこと抱き寄せてくれる…


「…ごめっ…」


「…謝らなくていいから」


「…で…も…」


翔くんは、僕の髪をポンポンと優しく撫でながら…


「てか、何で泣いてんだよ…?」


「……え…と……/////」


「…俺…なんだろ?」


「…ぅ……こ…れ…」と、翔くんからの手紙を見せると……


「あっ……それ、読んだのか?」


「う……ん……」


「…ったく、あいつ~…/////」


「…あいつって…斗真くん?」


「……それ、斗真に渡されたんだろ?」


「え…うん…///」


「…俺も、これ、斗真に渡された」て、見せられたのは、僕が翔くんに書いた手紙で…


「…っ…それっ…/////」


「あいつ、ホント、お節介だよな…」


「……ん…でも…っ…/////」


「ん…?」


初めは、自分の手紙、回収して…翔くんの手に渡らないようにしないとって思ってたけど…


「僕…翔くんからの手紙…読めて良かった…」


「……だな、俺もお前からの手紙、読めて良かったよ…」


「…うん……んんっ…んっ……/////」


キッ…キスされた~…/////


まわりに誰もいないとはいえ、すくそこに、皆いるのにぃ~…/////


「も…もおっ…翔くんっ…/////」


「…悪ぃ…/////」


ピロン♪と、LINEの受信音…


「斗真からだ」


「え…何て?」


「皆、ファミレスに移動するって…」


「あ、そうなの?」


「斗真と松潤は帰るってさ…俺らはどうする?」


「え…と…/////」


皆と久しぶりに会ったし、翔くんは行きたいんだろうな…

僕は…翔くんと二人きりになりたいけど…


「悪いけど、諦めてくれる?」


「え…?」


「皆とファミレスに行くの…」


「で…も…」


翔くんは…いいの?


「このまま…お前のこと、俺ん家に連れ帰ってもいい?」


…翔くん…!/////


「いいっ…!/////」


僕は、思いっきり翔くんに抱きついた


「ぅおっ…」


少しよろけながらも、翔くんは…


しっかり僕を抱き止めてくれた…











とりあえず、書きたかったタイムカプセル編を上げたので…TYは、また暫くお休みして、他のお山のお話の続きを書き進めたいと思います…m(__)m