(O)


 玄関ドアを開ければ、そこにいるのは…


「…来ちゃった♪」


「…翔くん」


また、このパターンか...


『誕生日だから♪』とか『入所記念日でしょ』とか何かと理由つけて...

お祝いしよって来やがるんだよね…

別に良いんどけどさ…


「何かしてた?」


「あ~…そろそろ何かご飯作ろっかなって…」


「ちょうど良かった、お酒持ってきたんだ、飲まない?」


「…い~けど…」


デジャヴ感、半端ないな…まあ、でも…

今日は、もしかしたら来るのかなって思ってたしね…


「これ、デザートのケーキね」🍰


「うん、ありがとお」


「…上がってもいい?」


ダメって言ったら帰るのか?


「…どうぞ」


言わないけどね...


「おつまみ系、何品か作るよ」と言えば、


「俺も手伝うよ」とキッチンに来て


「とりあえず、たこわさと…」と言えば、


「じゃあ、わさび擦るね」と…


冷蔵庫から茎わさび出して、下準備をして手渡すと、おろし金で「のの字、のの字」とザリザリおろし始め、


「そういや、肉じゃがとキンピラがあったんだ」と言えば、


「取り皿とお箸も持ってくね」と勝手知ったる様子で、食器棚からお皿とお箸を出していく


テーブルに並んだおつまみを見て…


「何か、豪華だね」


「お腹空いてたんだよ」


「ふ~ん、赤貝とつぶ貝…好きだっけ?」


「…す、好きだよ」


翔くんが来ると思ったから、用意してたとは言わないけど…


「へぇ~…(笑)」


「の、喉乾いた!ビールでいいよね」


「うん」


心当たりはあるけど、一応聞いてみる


「何に乾杯するの?」


「今日は俺らの日でしょ!」


「おいらと翔くん?」


「そうそう!」


山の日…てことだよね…🏔️


「なに?」て、惚けると


「も~!今日は山の日でしょっ」


「ああっ…山の日ね」


な~んて、知ってたけど…


「じゃあ、俺らにカンパーイ♪」


「カンパイ」


カチン🍺✨🍺


コクコクコクコク…ぷはぁ~!

ゴクゴクゴクゴク…ぶは~!


「んまっ」


「うめえっ」


乾杯して、おつまみを摘まんで食べてると…


「ね、これ知ってる?」とチラシを見せられる




「うん?山の日のお祭り?」


「そうそう、けっこう近くであるんだけど…」


「ふ~ん?」


「花火も上がるらしいんだけどさ…」


「…さすがに行けないか…」


おいらは大丈夫そうだけど、翔くんはバレるよなぁ…


「んで、これ持ってきた」


「ん?何それ?Blu-ray?」


「そ!打ち上げ花火のね🎇」


「へぇ...?」


「兄さんとこのデカいテレビで見たくてさ♪」


「いいよ、見よっか」


Blu-rayを再生すると、どこかの海辺の映像で、船が何艘かあって…

翔くんが少し早送りすると...


ヒュルルル~と、花火が打ち上げられ、ドン!と夜空に大きく花が咲いた


「おお!すげえ、映像でも充分キレイだな」


「そうだね」


テレビ画面に映し出される大輪の光の花を、ビール片手に見つめる


時々、真下から見上げたり、空撮してる場面に切り替わり、次々に打ち上げられる花火に暫く見入ってたら…

翔くんが突然、「やーまや~!」と声を上げる


「やまや?たまやでしょ」


「俺らの日だから、やまやなの!ほら、智くんも!」


「えっ...」


久しぶりの『智くん』呼びにドキッとする


「せ~の!」


「「やーまや~!!」」


つられて、おいらも叫ぶ


何なんだよ、もお…(笑)


あ…れ…? そういえば…


「翔くん、今日、何で来たの?」


「へ?だから、山の日で…」


「じゃなくて、何に乗ってきたの?電車?車?」


「…車…」


……やっぱり!


「…飲んでんじゃん」


「ん…泊まっていい?」


「なっ…」


確信犯じゃん!


「…智くん、ダメ?」


もおっ…そのつぶらな瞳で、真っ直ぐ見つめられてお願いされるの弱いって知ってるクセに!


「…はぁ...いいよ」


「やった♪」


満面の笑顔で嬉しそうに見つめてくるんじゃないよっ…ホントにもお…(苦笑)


「智くん」


「ん?」


「来年も…この日は二人で乾杯しようね」


「え…まぁ、ここに居ればね」


「ええっ…居てよ!てか、貴方の所在、俺には常に明らかにしといてよ」


「えっ…なんで?」


「何でも!ね、智くん」


そう言って、距離を詰められる


「わかった...んんっ…ん…/////ちょっ…なんでキスすんのっ…」


「えへ…つい♡」


こいつはぁ~~~…!!


……なんて、ちょっと、されるかもって…


期待しちゃったけどさ…




(S)



 「もうそろそろ、打ち上げ花火クライマックスかも」


「そうなの?」


「ちょっとだけ音量上げようよ」


「臨場感てやつ?」


と、智くんはクスクス笑い出す 


ちょっと飲ませすぎたか…?

眠そうにしてないから、まだ大丈夫か...


「始まるよ、あ、部屋も暗くしない?」


「いいよ」と、智くんはリモコンで、リビングの照明を落とした


大きな画面に夜の空が映し出され…


ビュ~~~~~と花火が打ち上がったかと思ったら、次々と連続して打ち上げられ…


目の前に色とりどりの大輪の華が浮かび上がる🎇🎇🎇🎇🎇






「何か見上げるんじゃないから、目の前に迫ってくる感じ…」


「うん...すごい...キレイ」


貴方も負けてないよ…と心の中で呟き…


ぱぁんぱぁんぱぁんぱぁんぱぁんと連発する破裂音に紛れるように


「…智くん、愛してるよ」と呟くと…


「翔くん、なんか言った?」


「ん?いや、キレイだなって…」


「だね…」


隣にいても、音量上げてたから花火の音で聞こえる訳ないよな…


相当、小声で言ったし…


隣の智くんから、画面の花火に視線を戻すと…


ドンッ、ドンッ、ドンッ

ぱぁんぱぁんぱぁん


「…おいらも、愛してるよ…


!?!


…聞こえてたんだ…!


もう一度、隣に視線を移す


テレビ画面を見つめる貴方の頬が少し赤みを帯びている…


俺は、そのキレイな横顔を花火が打ち上がるのが終わるまで


ずっと見つめていた






END






そして、END後の二人…❤️💙



花火が終わると…


自分を見つめてる翔くんに気づく智くん…


無言で見つめ合い…


どちらからともなくキス…


そのキスは、だんだん深くなっていって...



ムフフ♡




☆★やまの日バンザイ\(^^)/読んでくれてありがとうございました!皆さまの想いが、空まで届きますように…!(。-人-。)そしてLEE 様、やまの日祭りでぃ開催、ありがとうございます…!m(__)m