(S)
翌朝……
待ち合わせのコンビニに、智と向かう
さすがに、昨夜はしてねぇけど、やっぱり少し怠そうか…?
「智…体調、大丈夫か?」
「えっ…ぁ…うん…平気…/////」
「辛かったら、無理するなよ?」
「うん…」
「…何なら、タイムカプセルの中身、後で届けてやるぞ?」
「えっ…だっ…大丈夫だからっ💦」
「…そうか」
やっぱり行くよな…
智宛の手紙…こいつに見つかる前に回収しねぇとな…!
「あ、来た来た!お~い」
「2人とも遅いよ~!」
松潤と斗真が店の前で、手を振っている
「松潤、斗真くん、ごめんね~」
「時間通りだろ?」
2人の元へ歩いていく…
ん?
何となくだけど…松潤と斗真の雰囲気が…
チラリと智と目を合わせる…智も同じことを思ったのか…
もしかして、2人、上手くいったとか…?
…って、もし違ってたら…
今、この場では聞けね~な…
「ごめん、ちょっとコンビニ寄っていい?」
「いいけど、どうした?」
トイレに行きたいらしい松潤に、「あ、僕も行ってくる」と智も一緒に店内に入っていった…
たぶん、松潤に聞くんだろうな…
2人の事は、智に任せるか…
それよりも、斗真に頼みたいことが…
「斗真、あのさ…」
「うん?櫻井くん、何?」
俺は、斗真に、タイムカプセルを開けた時、もし斗真が俺の書いた智宛の手紙を手にしたら、こっそり渡してくれと頼んだ
出来れば、誰の手にも渡らず、自分の手で回収出来れば、それが1番いいんだけどな…
斗真は「了解!」と言いながら、「別に、大ちゃん宛なんだから、本人に渡せば良くない?」なんて言いやがるから…
「いや、無理だって…」
20年後ならまだしも、4年しか経ってないんだぞ……それに、小学生の頃の事は、ちゃんと謝ったし…
たぶん、あいつに書いた手紙も謝罪文だと思うし…別にいいけど…今さらな気もするし…
やっぱり、回収するのが正解だろ…
「あ、櫻井くん、スマホの番号とLINEのID交換しとこうよ」
「そうだな」と、斗真と連絡先の交換を済ませたところで、「おまたせ~」と、2人がコンビニから出てくる
「頼むぞ、斗真」
コソッと耳打ちして、智の隣に並ぶ…
「翔くん、塩べっこう飴、買ってきたけどいる?」
「いるいる」と言って、口を開けると、「はい♪」と、飴を口の中に放り込んでくれる
「あ、旨っ…」
「本当、2人、仲良いよね♪」て言う、松潤の声に振り返る
しまった…いつものクセで、つい…💦
と思ったら、「2人もすればいいじゃん♪」て、智が2人にも飴をあげてた…
「あ、なんだ、お前ら…へぇ♪」
2人、上手くいったんだな…
真っ赤になってる松潤と斗真…
聞くまでもなかったか…(笑)
海で話し聞いたときは、告白出来ないみたいなこと言ってたけど…
そうか…良かったよな…
(O)
翌朝、松潤達と待ち合わせてるコンビニに向かう…
翔くんは、僕の体調を気遣ってくれて…タイムカプセルの中身も家まで届けようかって言ってくれるんだけど…
そういう訳にはいかないよ…!
だって、翔くんに書いた手紙…翔くんの手に渡る前に回収しないとだもんっ…!
それにさ…僕…手紙と一緒に大切な物も入れてて…どっちかっていうとそっちを見られたくないよ…
コンビニに着くと、松潤と斗真くんが待っていてくれた…
あ…れ…?
何か…2人の感じが…気のせいかな…?
翔くんを見ると、翔くんも僕の方を見てて…
2人のこと、何か感じ取ったのかな…
松潤がトイレに行きたいから、コンビニ寄っていいかなって…
「僕も行ってくる」て、店内について行った…
雑誌コーナーの前を通った時に、すぐ聞いた…
「松潤…斗真くんと上手くいったんだ?」
「えっ…何でわかったの?/////」って…
だって…2人の間…少し空気が甘かったもん…
松潤がトイレに行ってる間に、麦茶と塩べっこう飴を買うことにする
今日も暑くなりそうだしね…
店から出ると、翔くんが隣に来たから、今買った塩べっこう飴を食べるか聞いたら、
「いるいる」て、口をパカッと開けたから「はい♪」って、放り込んであげる
「あ、旨っ…」
美味しいよね♪前に、校庭の隅で絵を描いてる時、用務員のおじさんがコレくれてさ…美味しかったんだぁ…♪
僕たちの後ろを歩いてる松潤が、「本当、2人、仲良いよね♪」て冷やかしてきたんで…
今のあ~ん、見てたのかな…/////
「2人もすれば、いいじゃん♪」と、飴をあげると…
頬っぺたを赤くした2人を見て翔くんが、「あ、なんだ、お前ら…へぇ♪」ってニヤニヤしてたけど…
ポソッと、僕の耳元で「2人、上手くいって良かったよな♪」って…
「うん♡」
僕も、そう思うよ…!
本当はさ、どっちから言ったの?なんて言ったの?って、色々聞いてみたいんだけどね…
あとさ…2人は、どっちがどっちなんだろ?
なんて、さすがに聞けないし、想像もできな~いっ…💦
まあ、また別の機会に聞いてみようかな…
どっちがどっちなんて、考えたからか、フッと昨日の翔くんとのことが思い出される…
『智っ…』
『もう、止めねぇからな…』
わぁっ…/////
一瞬で、顔が赤くなるのがわかる…
「智?」
「…ふぇっ?」
「顔赤いけど…暑いのか?」
「えっ…違っ…/////」
お茶買ってたろ、飲めよ、塩飴もう1つ食っとけって、慌てる翔くんを見て2人が笑ってる…
「大丈夫だからっ…/////」
「本当か?」
「うんっ…/////」
翔くんて、けっこう心配性だよね…そういうとこも、好きだけどさ…/////
10分くらい歩いて、小学校に到着する
「懐かしいな…」
「まだ4年しか経ってないのにね…」
正門を潜り抜け、校内に足を踏み入れる…
卒業以来だな…
進んでいくと、正面に渡り廊下が見えてきて…
右手に体育館…左の方に行くと確か、職員室だったよね…
懐かしさと一緒に、あの頃の気持ちも思い出されて、少し胸が、キュッとしてしまう…
チラリと翔くんを見ると…正面の渡り廊下をじっと見つめていて…
その表情が切なそうに見えて…涙が出そうになった…