☆こんにちは!いつもお話読みに来てくださって感謝です!臨時で窓口 開けましたが、思ったより多くの方が申請してくださいまして…ありがとうございました!とりあえず、今日の日付が変わる頃に窓口閉めますね!今回、アメンバーになってくださった方々、ありがとうございました!

そして、このお話は…実家近くにあるピンク色の桜の木を見て、何となく桜の下のお山が見えて…帰り道にあった、『たい焼きになっちゃったネコ』の看板を見て思いついた短いお話です…
興味のある方は読んでみてください…m(__)m



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 綺麗な桜の下には死体が埋まっている…





ここに立つ大きな一本桜…


こんなに濃いピンクだったかな…


年々、色が濃くなってる気がする…


サトシとショウが亡くなって…


この場所に埋葬されてから…




サトシとショウはいつも一緒だった…


いつも、どんな時も…


サトシとショウは寄り添うように…


最期まで離れずに…





五年前…


サトシが静かに逝った…


サトシの最期を見届け、すぐに…


ショウもサトシのあとを追うように逝った…


亡き骸は…


サトシとショウが好きだった…


この桜の木の下に埋葬した…




毎年、春になると…


この場所に来て…


サトシとショウに手を合わせる…


そうして…


桜を見上げると…


サトシとショウの声が聴こえる気がする…


「ねぇ…」


「うん?」


「サトシとショウは…ここに眠ってるよね?」


「…俺らが埋葬したんだから、眠ってるでしょ」


「だから、毎年、この桜のピンクが濃くなってきてるのかな…」


「濃くなってる?」


「なってるでしょ…」


「そうかな…毎年 綺麗なピンク色だけど…」


「ねぇ…」


「うん?」


「本当に眠ってるよね…?」


「…そのはずだけど…」


「じゃあ…このコ達は…?」


「サトシとショウのコ?」


「サトシとショウは男のコ同士でしょ」


「…じゃあ、生まれ変わり?」


「生き返ったとか…」


「…怖いこと言わないでよ…」


「でもさ…そっくりだよね?」


「…確かに…」



五年前…


サトシとショウが逝った…



翌年…


サトシとショウが眠るこの場所に来ると…


「…みゃあ…みゃあ…」


サトシにそっくりな黒い子猫と…


ショウにそっくりな白い子猫が…


サトシとショウ…


二匹が眠ってるその場所に…


ピタリと寄り添って…


僕たちを見上げて鳴いたんだ…


僕たちを待っていたように思えた…


野良猫なのか…捨てられたのか…


「サトシとショウにそっくりだな♪」


「このコ達…連れて帰りたい…!」


「…俺もそう思ってた」


あまりにも…


あまりにも…昨年 亡くなったサトシとショウに似ている二匹だったから…


「名前…サトシとショウでいいんじゃね?」


「サト~シ!ショ~ウ!」


「みゃう…」「みゃあ…」


「いいみたいだな♪」


そして…


子猫のサトシとショウを連れて帰った…


子猫のサトシとショウも…


この場所が好きみたい…





その翌年からも…


春になると…


僕と翔くんと、サトシとショウで…


この桜を見に来るんだ…


「綺麗だね~」


「智くんも負けてないよ?」


「…何言ってんの…/////」


翔くんだって…綺麗じゃん…


暫くピンク色の風景を眺める…


「…そろそろ行こうか」


「うん…」


「サトシ、ショウ帰るぞ~」


「みゃあ…」「みゃう…」


「…サトシ、ショウ…また来るからね~」


『にゃあ…』『にゃお…』


「「えっ…!?」」


今…


サトシとショウの声が…


「聴こえた?」


「…聴こえた」


やっぱり…


サトシとショウは…


ここで眠ってるんだね…


ヒラリと舞う桜の花びらが掌に落ちる…


「…ピンク色…濃くなってない?」


「…確かに…濃いな…」





来年になったら…


この桜の花の色は…


また、色濃くなって…


鮮やかなピンク色を…


僕たちに魅せるのだろう…








 END