(S)


  「ただいま~」

ダダダダダッ…

『翔ちゃん、おかえり~!』

玄関のドアを開けると、智くんが走ってきて、思いっきり 抱きついてくれる

それが嬉しくて 智くんを抱きしめて くるくる回ってしまう…


この 可愛い 可愛い智くんは…同じメンバーの
嵐のリーダー 大野智 のようで 実は違う

いや、本人そのもの なんだけど…




話は 数日前に 遡る……


家のインターホンが 鳴らされる


なんだ?


『お届けものです』


お届けもの?


誰だろ?


てか、デカくね?


なにこのケース?


恐る恐る 開いてみると…


説明書?


と… 手紙?


『櫻井翔様

先日 お話しました 我が研究所が 開発した アンドロイドです
ご所望の外見で 基本的なことは 設定してございます
学習型の AIを 搭載しておりますので、櫻井様好みに 育てていただけたらと 思います
メンテナンスは無料です 不具合の際はご連絡下さい』


あ…

少し前に 取材させてもらった研究所の…

そういや、研究所の人達と 仕事の後 飲みに行って 一体 差し上げますとか 言われたような…

その時に、どんな外見が好みか聞かれたような…

酔ってて 覚えてないけど…


この外見…

どこからどう見ても… 大野智…

智くん…

酔ってたとはいえ…本当のこというなんて…

俺、ヤバくね?


とりあえず、起動してみるか…

え~と  耳の後ろに 電源なるものが あるのね

へぇ…完全防水…

お風呂も入れるんだ…

俺好みに育てれる…

ちょっと…良いかも…


『櫻井翔 様 はじめまして』

「あ…初めまして」

『櫻井翔様 何なりと お申し付けください』

説明書 片手に アンドロイドと会話を進める

「まずは、敬語 やめてもらえる?」


『櫻井翔、わかったよ』 


「(笑)」  

なんか…可愛い♪

「名前で 呼んで?」

『翔』

う~ん…翔くんだと…本物 智くんと 同じになっちゃうのか…

「翔ちゃん」

『翔ちゃん』

「翔ちゃん、大好き…」

『翔ちゃん、大好き』

ヤッベ… 本当に  大野さんに 言われてるみたい…

「名前は?」

『名前は つけて』

あ、マジか…

だったら…

「大野智…」

『大野智 アップデートします』

「智くんて 呼ぶね」

『うん』

あ、服 着せね~と…

俺のだと 少し 大きいみたい…

萌え袖…

やっべ~…!


アンドロイド智くんを 見回す

どっからどう見ても 智くん…

背丈も… 体格も…睫毛も…鼻筋も…

尖った 可愛い唇も…

アンドロイド智くんの唇にキスしてみる

わ…嘘だろ…

柔らかい… 人間と 変わんない… 

すっげ~…

「智くん…」

『なあに?翔ちゃん』

「俺がキスしたら…もっと って 言って?」

『うん』

もう一度 キスをすると…

『翔ちゃん、もっと』

「…/////」

俺は  抱きしめて もう一度キスをする

『もっと』

智くんに キスを繰り返す…


こうして 俺と この可愛い アンドロイド智くんとの 生活が 始まった