(S)




 今日は、2月14日、バレンタインデーだ



バレンタインは、好きな人に想いを伝える日だよな…男が伝えたっていいんだよな…!

鞄に忍ばせた 青いリボンの箱…直接 言う勇気が無くて、チョコと一緒にメッセージカードを入れた

貴方はなんて思うだろう…
男同士なんて、ありえないって言うだろうか…

これまでも、何度も伝えようとしたけど、今の関係を壊したくなくて、ずっと言えずに今日まできた…

楽屋のいつもの席で、貴方の様子を窺う…

ん?何か そわそわしてる…?

「みんな~!これあげる~!」

黄色、緑色、紫色、赤色のリボンの箱を順番に渡していく貴方…

「ありがとうございます。」
「わあ~ありがとう!リーダー!」
「ありがとね~」

ん?俺の箱だけちょっと違う気が…

「…ありがとう」

気のせいか…?

貰った箱を鞄にしまおうとした時に、相葉くんが、

「ちょうど小腹が空いてたんだよね~」
箱を開け始める

「チョコだ~美味しそう!」

今朝、コーヒーしか飲んでなかったんだ…俺も1つ、摘まむか…

しまいかけた箱を、開けようとすると、

「あ…」

その声に顔を上げると、困ったような顔の貴方と目が合う…

「どうしました?リーダー?」

「え…ううん…なんでもないよ…」

赤いリボンをほどく…箱を開けると、中にカードが入ってる

見るとそこには、『大好き』の文字が…

びっくりして貴方を見る

「智くん、これって…」

俺と同じ気持ちってこと?智くんも、俺のこと?ドッキリじゃねえよな?どこかに隠しカメラがあるんじゃないかって回りを見渡してから、もう一度貴方を見る

俯いて顔が見えない…どんな顔してるの…?

収録のあとに渡すつもりでいた、青いリボンの箱…渡すなら、今だよな…

鞄から取り出し、その箱を貴方に差し出す

「智くん、受け取って」

貴方が不安そうに俺の目を見る…

「えええ~!リーダーだけなの?俺らにはないの~?」

相葉くんが何か叫んでるけど、そんなの気にしてられない

「悪い、智くんの分しか用意してない」

俺の言ったことに、何かを察したのか、気を使ってくれたのか、トイレだの、自販機でコーヒーを買うだの言って、3人が楽屋を出て行く

貴方と二人きりになる

心臓がバクバクするけど、ちゃんと伝えないと…!

俯いてる貴方に、

「智くん、箱開けてみて」

「うん…」

貴方のキレイな指が青いリボンをほどく…箱をそっと開ける…中に入ってるカードを手に取る…

「翔くん、これって…」

貴方の瞳が揺れて、キラキラした雫が溢れそうになっている

「ずっと、言えなかった…気まずくなったり嫌われたりしたら、どうしようって…」

初めて会った日から、ずっとずっと…俺は貴方に恋をしてたんだ…けど、ずっと言えなくて、苦しくて…

「でも、もうこれ以上自分の気持ち押さえられなかった…!」

貴方の目からキレイな涙が溢れおちる…

「俺は、智くんが好きだよ」

「お、おいらも…翔くんが…大好き…!」

貴方が俺の胸に飛び込んでくる

俺は貴方を思いきり抱きしめる

俺の胸の中で、貴方が泣きじゃくる

「泣かないで、智くん」

貴方の頭をそっと撫でる…

なかなか泣き止まない貴方の瞼にそっとキスを落とす

「しょっぱい…(笑)」

フリーズしてる貴方の頬にキスを落とす

「しょ…翔くん…!」

次は唇に…

ガチャ!

「お取り込み中、申し訳ありません。そろそろ時間なので…」

「二人とも、上手くいったんだよね?良かったね!」

「じゃあ、いくよ~」

チッ!もう少しで唇にキス出来たのに…!

しゃ~ない!お楽しみは後の方がいいか?
とりあえず、仕事頑張って早く終わらせてそのあとは…!

「続きは、収録のあとでね…智くん」

「うん…!」



ハッピーバレンタイン!