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前回までのあらすじ】

言葉の発達が遅れているたいちゃん。

ある日やっと、「ちんちん」という言葉を発する――

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「ちんちん」でめでたく発語デビューしたたいちゃんですが、

その後もなかなか言葉が増えません。

(念願だった「お母さん」はいつの間にか言えるようになってた)

 

いわゆる言葉の爆発というのがちっとも訪れず、

2才になっても話せないたいちゃんに不安と焦りが募ります。

 

 

夜中にガバっと起きて、

〈2才 言葉 話せない〉

などで検索しては、

たいちゃんと一生お話できないかもしれない未来を想像し泣く日々。

 

 

「意志疎通は取れてるんだし、3才まで様子見で大丈夫よ」

 

と両親は言うし、

 

夫にたいちゃんが一生話せないかもという不安を伝えると、

 

「仮にそうだとしても、ゴミ出し手伝ってくれたり、

エレベーター開けてくれたり、その優しさがあって、

それでコミュニケーションができてれば、

それで充分幸せではないだろうか」

 

との返事で、

 

ちょっとグッときて泣いてしまったけれど、

 

でもやっぱり不安で、

 

言葉の発達についての本を5冊くらい買って読み漁ったり、

 

 

 

 

 

 

 

 

伊勢神宮にお参りにいったりしました。

 

 

 

 

 

なかなかの旅費宿泊費をかけて伊勢神宮にお参りに行かせていただいて、

 

「たいちゃんがお話できるようになりますように」だけ祈って帰ってきたので、

 

翌週くらいには、なんなら帰り道くらいには話せるようにしてよね神様と思っていましたが、

全然話せず。

 

 

でも伊勢神宮から帰ってから間もなく、

区の発達相談センターから電話があって、

前からお願いしていた発達検査を受けられることになりました。

 

 

心配だけど…きっと大丈夫…。

 

「大丈夫ですよ。ちょっと言葉が遅れてるだけです」

って太鼓判押してもらおう。

 

うん。安心するために受けよう。

 

 

当日、発達センターで臨床心理士さんが発達検査をしてくださいました。

 

田中ビネー知能検査というものらしいです。

 

机の前に座って、積み木を重ねたり、

パズルをしたりのテストを受けていくたいちゃん。

 

親は声をかけてはいけないので、

横に座って見守ります。

 

あぁ、たいちゃんすごいね。

ワンワンがどれかわかるんだね。すごいね。

 

へえ、こんなこともできるんだ。

 

ああ、この部屋寒いな。トイレ行きたいな。

 

 

と、たいちゃんが知らぬ間にいろいろなことができるようになっていたことに感動したり

トイレに行きたいなと思っている間に検査が終わり、

 

 

結果は、

 

実際の年齢は2才5カ月だけれど、

生活年齢は2才4カ月で、精神年齢が1才10カ月とのこと。

 

 

臨床心理士さん曰く、

「療育に通った方がいいです」

 

とのこと。

 

 

療育とは、

障害のある子どもやその可能性がある子どもに対して、

一人ひとりの障害特性や発達状況に合わせて、

困りごとの解決と将来の自立、社会参加などを目指して行う支援・サポートのこと。

(LITALICOより)

 

 

「何の問題もないです」

と言われると思って受けていたので、

まさかの結果に動揺。

 

 

「え…っと…。ちなみに自閉症とか知的障害の可能性もあるということでしょうか…?」

 

「グレーです」

 

「知的障害だけでなく自閉症も…?」

 

「グレーです。療育は入れるので4月から通ってください」

 

 

動揺を隠しきれぬまま、

渡された書類に黙々とサインをし、その場で入園申請を行うことに。

 

 

寒い…

寒いよ……

この部屋は寒いよ……トイレに行きたいよ……

 

グレー…グレー……

 

GLAYのTERUは元気かな……

 

 

 

療育は区によってはなかなか受けれなかったりするので、

すぐに手続きして入れるというのはとても有り難いと思いつつ、

 

心のどこかでは「絶対大丈夫、何の問題もない」と思っていて、

安心するために検査を受けたので、

 

突然の状況をなんだか受け止めきれなくて、

帰り道の駅のホームで泣きそうになってました。

 

 

義妹のミナちゃんに報告すると、

ミナちゃんのお友達のヒカリさんも

息子さんを療育に通わせていたということで、

すぐにヒカリさんにいろいろ聞いてくれました。

 

 

同じように思い悩んだ経験のあるヒカリさんは

とても聡明な方で、

ミナちゃんが転送してくれたヒカリさんのメッセージに私はとても救われたのでした。

 

 

「田中ビネーね!

 

多分心理士さんから言われてると思うけど、

あれはその日の子供の気分とかにかなり左右されるので

点数はあんまり気にしなくていいと思う。

 

まだ2歳だと正確に点数は出ないんだよね。

 

緊張してたり、やる気なかったり、

 

ほかに興味を引くものがあったりするとわかってても答えなかったりするからね。

 

ので、点数はあんまり気にしなくていいと思うよ。

 

ビネーで正しい点数出すには2歳児じゃ早すぎるからね」

 

 

「息子も確かたいちゃんと同じ月齢くらいで受けたんだけど(私が検査して下さい!ってゴリ押しした)、

その時にグレーゾーンの結果出て、

でも点数は気にしないでください〜って↑で言われた事を言われたんだ。


で、私もテスト中いやこれくらい出来る筈だけどな〜って思いながら見てたし、
実際数日後に間違えてたのと同じ問題を家でやってみたら全問正解できたから

やっぱ2歳じゃムラっ気あるよね…と思った記憶があって…

実際5歳くらいでまた似たテスト受けたら「知的レベルは正常域です」って言われたので

やっぱり2歳で受けるテストの数値なんてアテにならんよなぁと再確認したのです。。。。

 

田中ビネーの検査受ける時って知的指数を数値化するのが前提なんだけど、

実はちゃんと話聞けるかとかじっとしてられるかとか視線が合うかとか、

むしろそっちを観察するためにしてるような所があるらしいのね。

 

あと2歳児とかだとお母さんからの話が評価の重要ポイントになるので、

 

テスト中に心理士さんが観察したたいちゃんの様子+お母さんから聞いたこれまでの話を統合して、

自閉スペクトラムかどうかの診断が下るんだと思う。

 

グレーって言っても

じゃあそれがダークグレーなのかライトグレーなのかはまだこの年齢じゃ全然わからないし、

療育なんかを上手く利用して将来的に白に擬態してくパターンも沢山あるよ!」

 

 

 

「そもそも臨床心理士さんに発達障害かどうかの判断はできなくて、

診断は医師にしか下せないのです。

 

そして医師ですら間違える事があるくらい発達障害の診断って難しいのです。。。

 


 

臨床心理士さんは、たいちゃんを療育につなげた方が本人にとって、

或いはお母さんのメンタル的にもいいと思って

療育受けるようにあえて強めに言った可能性もあるかと。。


でも

『まだ2歳なのではっきりとした事は分からない段階ですし、

これくらいの月齢だとまだまだ伸び代があります。

ただ、お母さんが悩まれているなら一度療育を受けてみるのは如何ですか?』って方向で

ソフトにお話してもらえたら良かったよね。。
 

ただでさえこっちはメンタルやられてるのに、

突然強く言われたらますます追い詰められたりもしちゃうよね。。わかるなぁ。。
 

 

ぜひ会ってお話ししたい!!!」

 

 

 

 

(´;ω;`)

 

あぁもう、私ヒカリさん好きだ。ミナちゃんありがとう。

 

 

経験者でいろいろ調べたり悩んだりされてきたヒカリさん、

今の堕ちてる私の気持ちを見事に救ってくれる言葉をくださる。

 

 

 

 

ヒカリさんの息子さんが話し始めたという二歳七カ月には

たいちゃんも話せるようになってるといいなぁなんて思って、

 

そしたらヒカリさんにご報告できたらいいなと思っていて、

 

 

二歳七カ月が過ぎ、

 

もうすぐ二歳八か月になろうとしていますが、

 

 

 

たいちゃん全然話せません。

 

 

 

 

全然話せないと言っても、

単語はゆっくり少しずつ増えてきてはいるのですが。
 

 

でももどかしい。

 

 

同じ月齢の子は皆おしゃべりしているのに…。

 

 

なんとか二語文(『わんわん いた』『パン ちょうだい』など二つの単語からなる文)
が出て欲しいと切実に願っていました。

 

 

 

 

 

それでゴールデンウィーク、

 

家族で伊豆の方に旅行に行ったのですが、

やはり旅行など刺激があると脳が刺激されるのでしょうか。

 

 

カピバラに触ったり、

 

 

遊園地に行ったりと、

 

 

 

いろいろな新しい経験をしたたいちゃんから、

 

ついに初めて二語文が出たのです。

 

 

 

 

旅館の部屋で、私が「臭い臭い」と言いながら

めちゃくちゃ臭いたいちゃんのうんちをお尻拭きで拭いていた時。

 

 

 

 

 

うんちを拭かれながらたいちゃんは言いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うんち くさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日現在、たいちゃん未だにお話できませんが、

「うんち くさい」だけは毎回言ってくれるので、

今の密かな楽しみはたいちゃんのうんちを拭くことです。