私の皮膚科、乳腺外科が終わってからのことだったのでクリニックに着いたのが11:30前。
待合室には私達だけ。
先生が、母の顔を見るなり、
「こけちゃったん?」
診察室に入り転倒した経緯を説明。
クリニックの先生は父が施設に入所するまで往診に来てくれていて長い付き合い。
「僕は、お母さんをずっと診てきてるけど手の振戦もないしパーキンソンの症状は何もない。娘さん、看護師さんやんね。だから言うけど、パーキンソンてわかったところで…。て話し。わかったからと言って何の解決にもならない」
それはそう。先生の言う通り
でも、パーキンソン病や症候群ならゆっくり経過していく。別の病気が隠れてたら?
歩くと止まれないなんて危ないし怖い。
「先生の言うこともわかります。わかった所で薬を飲んでも症状は進行していく。でも、パーキンソン病なら薬の効果も期待出来る。今は介護支援1でサービスを受けてません。これからです。なのでケアマネさんも付いてない状況です。区変をかけなければいけないかもしれない。サービスを受けるに当たって病気がわかると介護する方も接しやすいかと考えます」
「家も3階。一人暮らしやろ?あそこは終の住処にならない」
実家を知ってるから出た言葉。現実を突きつけられた感じ。
「実は兄と2人暮らしです。やっぱり言ってなかったんやね」
「えっ!気づかなかった。ずっとお父さんの往診に行ってたのに」
「兄も日中仕事。遅番とかもあり不規則。父がしっかりしてる時に『ご飯くらい1人で何とかしろ』と言ってからご飯も別。家庭内別居のような形です」
「他に兄弟は?」
「妹がいるけど京都です」
「娘さん、今日は仕事休んだの?」
「私、乳がんで、今診察の帰りです。明日、母の神経内科と形成外科を受診させたくて紹介状といつもの血圧のお薬をもらいに来ました」
「そうかー、妹さん京都かー。ちよっとシビアやね」
そうして、クリニックのケアマネの資格を持つ看護師さんを紹介してくれ、何か相談事があれば相談に乗るよう言ってくれた。
「紹介状も忙しくてすぐには書けない。娘さんもわかるように予約なしで診てくれるかどうか…」
「そこは、私が病院に連絡して確認します」
「じゃあ、今日中に書いとくから明日の朝1番に取りに来て」
明日の朝、取りに来るだけの形にしてもらった。
「あそこは終の住処じゃない」
その言葉は重くて、これからどうしようか悶々と考えていた。