「○○君を診察させていただいていいですか?」
主治医はずっと泣いてくれていた
「5月7日、4時24分、ご臨終です…」
と言われた
主治医、フェローの先生方が順番に息子の手をさする
PICUの先生が
「人工呼吸器をとめますね」
と言い、人工呼吸器を止め、点滴を全て止めた
息子の肺の動きも止まった
「管を全部抜きますので、ご家族の方は控え室でお待ち下さい」
と言われたので、みんな移動した
控え室でパパが葬儀社に電話をした
6時には迎えに来れるとのことだった
少しでも早く連れて帰ってあげたかったのでお願いした
部屋に戻ると、人工呼吸器も、サンプチューブも、CVも、IVも全部なくなって、すっきりしていた
息子に何を着せてあげようか、ずっと迷ってて、でも息子らしいものを着せたかった
選んだのはピカチュウの着ぐるみ
看護師さんに渡したら
「可愛い!着ぐるみは初めてやわー!」
とみんな笑顔になった
見慣れた病院の服を脱いで、着替えさせた
まるで寝てるだけの息子
ピカチュウの着ぐるみ、起きてたら喜んだやろなー
これみんなに見せるー!って走り回ってたやろな
ほんとに可愛いかった
今にも動きだしそうだった
体を綺麗に拭いて、足浴をした
その後抱っこさせてもらった
細い、細い息子
やっと抱っこできた
痛がるから、ずっと出来なかった
21キロあった体重は14キロにまで落ちていた
でも、久しぶりに抱っこした私には重く感じた
最後だとわかっていたから、ぎゅーっと、ぎゅーっと抱きしめた
「お化粧はママにしてもおうか?」
と言ってもらえたので、私がすることした
顔の肌は全く点状出血もなくて、とってもキレイで、ファンデーションを薄く塗って、血色は悪かったからチークとリップはつけた
「女の子みたい、ママに似てるね」と
息子は4人姉兄の中で、唯一私そっくりな子
主治医が書類を持ってきてくれて、一緒に確認をした
「長かったですね。やっとお家に帰れますね。…でも私は治して帰してあげたかった…。いつでもお話聞くので、お母さんいつでもここに来ていいからね。」
ずっと、ずっと泣いてくれてる主治医
本当にありがとうございました
葬儀社の方が到着し、息子は白い布に包まれた
部屋を出る時、音楽がなりはじめた
初めて通る通路の先に、まだ仕事中やのに血液内科の看護師さんも見送りに来てくれていた
主治医や、フェローの先生方、PICUの先生方、看護師の方々、沢山の人に見送ってもらって病院を後にした