剱沢でテント泊
明日は昼から崩れる予報なので、3時決心、4時行動開始と決めて就寝
前日は興奮しすぎてあまり寝てなかったので、すぐに寝付いたのだが…
テントが風でバサバサたわんで頭に当たるので目が覚めた


強風
そうこうしているとポツポツと雨が降り始めた
次第に本降りになり、強風と相まって横殴りの雨に
こうなると困るのがトイレ
己の限界に挑戦したが結局はカッパを上下きっちり着込んで300メートルほど離れたトイレへ
ヘッデンを付けているが濃いガスで全く見えず



3時になるとT君からメール
「突風と雨、霧で視程100メートル。アタックには厳しい状況です」
1日停滞して月曜日に賭けることも検討したが、高気圧が予報より早く後退してしまいこの先火曜日までは大荒れの天気になるらしい
下山することに決心



撤収はあっという間

6時に下山開始



途中一つだけピークを踏む
突風で持っていかれそう

雷鳥坂を下っていると、



遠雷のように最初は小さく、しかし確実に近づいてきた!
そう、君は招かれざる客、便意ちゃん!
緊急事態!繰り返す緊急事態!
総員配置につけ!
肛門付近の筋肉は全力で決壊を阻止
眼球は登山道脇にキジ撃ちポイントがあるか捜索
脚は火急的速やか、かつ極力衝撃を緩和し歩行

45分で雷鳥沢の一本橋のところまで降りてきた
やればできる!

しかしここで先行の男女連れのパーティが記念撮影
そりゃ増水した沢の上に架る一本橋の上だもん、写真も撮りたくなるでしょうよ
女1「高橋さあん!写真撮ってえ!」
高橋「よしきた、さあみんなポーズとって」
おい、よしきたじゃないんだよ!
鬼の形相で橋をストックで突く
女2「あっ、後ろに人」
後ろに人は正確ではない。後ろに漏れそうな人だ!

願いが通じたのかパーティは橋をそそくさと渡ってくれた。かたじけない
さあ、目指す雷鳥沢キャンプ場受付まではもう指呼の間



ザックを置いてトイレに入ろうとする



なに?鍵がかかってるぞ
8時から清掃で使えないというのだ
再び鬼の形相で小屋のにいちゃんに言う
「のっぴきならないのです」
「ひっ、どうぞ」

まさに間一髪!しゃがんだ途端に浮き上がるくらいの大噴射
きっと沢の水を飲みまくったせいだ

トイレから出る
にいちゃんに「ありがとうございました。あなたは命の恩人です」と縋るように御礼を言う
「いやいやいいです。よかったですね」
ザックを担いで濡れた手袋をはめなおしていると、トイレの方から「うわくっせー」と聞こえてきた
聞こえるように言うんじゃないわよ!



さあ、ここからは勇者の行進
よく整備された遊歩道を登る



室堂あたりも濃いガス
気温は17度。風も強いので寒い

そしてようやくみくりが池温泉に到着



日帰りは9時から受付ということで、すでに5〜6名の客が並んでいた



浴槽は二つ
左がぬる湯、右があつ湯の運用
右の方が若干大きいのだが、まだ溜めてる途中で寝湯くらいの湯量
たちまち芋洗い
あっ!お父さんかけ湯くらいはしなさいよ
さすが山の風呂、マナーもへったくれもあったもんじゃない
ついさっきの修羅場もあったことだし、流石に私は石鹸で綺麗に洗いましたよ

こうして剱岳登山は敗退
できれば今年のうちにもう一度再挑戦したい

みくりが池温泉
富山県中新川郡立山町室堂平
0764-63-1441
1,000円
9:00〜