以前自転車で西伊豆〜中伊豆を回った話を書いた
今から27年前のことだ
当時私は御殿場から山中湖に抜ける途中にある須走というところに住んでいて、夏休みを使って自転車で伊豆に行こうと同期と計画を立てた
御殿場から沼津までのR138は下り坂。車と同じような猛スピードで一気に沼津まで駆け降りる
沼津からしばらくは海岸線の平坦路を快走
沼津市境を超えたところからは激しいアップダウンの続く峠道。戸田に着く頃には完全にへばる私
同期のNは学生時代登山部で鳴らした全身これ筋肉の体力オバケ。自転車は私の方がいいやつなのに登りにさしかかると必ず離されてしまう
N「おーい、アンプー!置いていくぞ!」
a「置いていってくれー!」
N「だめだー!お前は自分に甘すぎるんだー!」
楽しい休暇の筈なのに、なんでこんなに同期にしごかれるんだ!
戸田〜土肥〜松崎となんとか進む
照りつける太陽のせいで塩を吹きまくって臭い臭い青年アンプ。それを鬼教官よろしくしごきまくるN
松崎から婆裟羅峠に向かう道中で異変が
なんとNの足が攣り出した。しかも両足
ここで形勢逆転
N「だめだー!両足攣っちゃったー!アンプ待ってよー!」
a「あほかー!さんざんお前は自分に甘いとか言ってたくせにー!ついてこいよー!」
N「あーん!」
16時頃、敗残兵のようになった我々は漸く宿に到着
湯ヶ野温泉の近くにあったユースホステルのハリスコート天城
名前はハイカラだが、お寺併設の古びた建物
それでも庭では同い年くらいの可愛い女の子たちがバトミントンに興じていて、潮を吹いてシャツがまだらの我々とは別世界の人のように眩しく思ったっけ
食堂で合宿飯みたいなハンバーグとカニの爪先揚げを食って、談話室で仲良くなったフランス人の旅行客を誘って近くの湯ヶ野温泉に行った
(Nは大艦巨砲主義の権化のような日本人離れしたものを持っていたので、フランス人も瞠目していた)
長々と書いたが、本日向かったのはハリスコートが業態を変えた温泉宿、禅の湯
今回も27年前と同じく西伊豆周り
まずは沼津の内浦にある氣多神社に立ち寄る
そのまま南下して松崎にある蕎麦屋、伊豆鞍馬さんへ
ここのご主人はND乗りで、ロードスターで行くと天ぷらとステッカーをサービスしてくれる
少し手が空いたご主人と話す
そこからくだんの婆裟羅峠を越えて禅の湯へ
こんなんだったかしら。なにしろ25年ぶりに来たからピンとこない
と、ここの通路を見て思い出す
そうだ確かこの通路が奥まで続いていた!
後で女将さんと話したのだが、当時は通路の右側はBBQのテーブルが並んでいて、一番奥に大銀杏の木があって、ベンチがいくつか並んでいた
自転車を投げ出すように停めた時、バトミントンの女の子たちと目があったのだ。今だったら話しかけられたけど、当時は恥ずかしくて軽く会釈しただけだったか
中庭に面した食堂
もっと古びた食堂だったが、ここがまさにハンバーグを食べたところだ
あの頃との一番の違いは風呂
当時は普通の沸かし湯だったが、今は温泉を掘り当てた。湯量豊富で男女共に掛け流しの湯づかいだという
湯は淡い硫酸塩泉
内湯ではボディソープなどの匂いであまり感じられなかったが、露天風呂では硫酸塩泉本来の甘い石膏臭がした
外に出て涼む
最近はあちこちでクマの出没を聞くが、この辺りはどうなんだろう
ちびっ子NAちゃん
翌朝、女将さんと話す
実は昔自転車旅行で来たんですよ、というと昔話に花が咲いた
今時の若い人はインドア派なのかしら、と仰るので
いえいえ北アルプスの最深部にも大きなカメラをぶら下げた若い女の子がいますよ、多様化したんでしょうねえと返す
禅の湯
静岡県賀茂郡河津町梨本28-1
0558-36-3065
梨本温泉 梨本17号
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
(低張性・アルカリ性・高温泉)
成分総量1.383g/1kg
pH9.0
泉温47.0℃
湧出量169ℓ/分
主要成分(1kg中)
ナトリウムイオン212.3mg
カルシウムイオン201.6mg
硫酸イオン830.2mg
中伊豆
湯ヶ野温泉から河津七滝に向かう道中に所在
駐車場は建物の前に6台。その他にもあります






