湯本館に到着し、まず行ったのは記念撮影



有名なこの写真、昭和38年、吉永小百合が主演した伊豆の踊り子の撮影現場に訪れた川端康成



61年後の令和6年、裸電球のようなアンプさん

女将さんに案内され、2階にある川端康成ゆかりの部屋に来た



この四畳半の部屋に泊まっていたという
アン「あの、ここに千泊ほどしたとか」
女将「そうです」
アン「川沿いじゃないんですね」
女将「ええ。当時はこの窓の下は天城の街道だったので、往来がよく見えたんですよ」
アン「確か700泊分くらい踏み倒されたと聞いたことがあるのですが」
女将「川端さんは原稿料が入った時はお金を入れてくれたんですが…そもそも当時の女将の息子が川端さんと同じ年頃だったんですが、家に寄り付かなくて、川端さんを息子のように扱ったんだとか」
以前どこかで書いたが、湯本館は700泊の宿代を踏み倒されたが、ノーベル文学賞作家が千泊したという何ものにも代え難い財産を得ることができた

伊豆の踊り子を書いたのもこの部屋だった



ノーベル賞受賞の報を聞いたのもこの部屋
野鈴でノーベル、成程

部屋で旅装を解き、露天風呂に向かう
雨は上がり、うっすら川霧がかかる



ああ…



この露天風呂が一番好きです…

夏の温泉は体力勝負
ぼとぼとになって向かったのは内風呂




硫酸塩泉らしい甘い石膏の香りが充満している
静かにかけ流される湯
これは千泊したくなる端正な佇まい


時々湯べりに寝そべりながら湯を堪能したのでした


翌朝には家族風呂



二人入ればいっぱいのこじんまりした湯
ここでも甘い匂いを堪能

この内容で1泊2万円はもはやバーゲンプライス
皆さんに強くお勧めする宿です

湯本館
静岡県伊豆市湯ケ島1656-1
0558-85-1028
日帰りは繁忙期以外は受けてます
一人泊も繁忙期以外は受けてます

西平泉 湯ヶ島29号
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
(低張性・弱アルカリ性・高温泉)
泉温45.4℃
主要成分(1kg中)
ナトリウムイオン135.5mg
カルシウムイオン174.0mg
硫酸イオン633.9mg

湯ヶ島の温泉街。道は狭く坂なので注意
駐車場は6台分。屋根付きが嬉しい