片岡鶴太郎さんのハチャメチャいい話 | 三遊亭王楽のぽよよんブログ

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昨日、都内某所にて、片岡鶴太郎さんとお会いしました。

今年で画業30周年を迎えられる鶴太郎さんですが、絵を描くきっかけは『笑っていいとも!』のコーナーでして…

番組のオープニングで、鶴太郎さんが描いたパプアニューギニアの親子の絵をバーンと出して、司会のタモリさんが「さて問題です、此の絵を描いたのは誰でしょうか?」と云ってから正解を出すと、驚嘆の声が上がり、そのまま番組はエンディングへ…

終わって鶴太郎さんが楽屋へ戻ると、マネージャーさんが…



「あのゥ…先程、横尾忠則さんからお電話があり…ご本人かどうかはわからないんですが、電話をくださいって…」



…と。

半信半疑で鶴太郎さんが、頂いた電話番号にかけると、コレが本物の横尾忠則さん…



「観たよ、鶴ちゃん。いいネ、あの絵。ボクのと交換してヨ」



…と云われたそうな。

「凄いですねェ…交換されたんですか?」と、私が問えば…



「交換しようと考えたんですけども、交換しなかったんです。

処女作ですし、アノ横尾忠則さんとの物語も語れるので、今は美術館の入口に飾らせて頂いてます」



と…此の話、マジで凄くないですか?

更に驚いたのは、その処女作を描くまで、さほどに名画を観まくってこられた訳でもなく、絵の勉強をしてこられた訳でもなかったと云う事実…!



「絵の事なんかよくわからなかったクセに、パプアニューギニアの親子を描きながら『違う…こんなんぢゃダメだ!』と何回も黒で塗りつぶしていったんですヨ。

描いた親子を塗りつぶしながら『ごめんなさい、きっと甦らせますからネ?』と云って、黒で葬っていったんです。

こんな作業を何度も何度も繰り返すと、絵の具が盛り上がってくるんで、それを雑巾でこすると、黒がうっすらと消えて、今まで塗りつぶしていったものの色が出てきて、それが相俟って、何っとも云えない味わいが出てきたんですヨ。

それを見た時に思いましたネ?『ああ、今まで葬ってきた絵は無駄ではなかったんだな』と」



…ハチャメチャいい話だと思いませんか?

他にも修業時代のお話や、世に出られた経緯など、貴重なエピソードをてんこ盛り聴かせて頂きました。感謝々々でありまする(泣)。

鶴太郎さん、長時間有難うございました!改めて、色々とお聴かせください♪