
いや~、めっちゃ面白かった
また、めっちゃためになった
M-1について、そして漫才について…更には、お笑いについて大いに語っておられるんですが、その分析が大変わかりやすくて、ストンと腑に落ちるのです



様々な人気芸人の評論が、いちいち腑に落ちる
ザキヤマさんのは、脱帽
落語にも通ずる事が沢山出てくるんですヨ

例えば…
「ときどき、うまいけど笑えないんだよなというコンビを見かけます。
じっと観察していると、だいたい演者の言葉に気持ちが入っていません。
言葉に気持ちを込めるといっても、単純に大声を出したりすればいいというものでもない。目線とか、体のちょっとした動きにも出てくる」
とか…
「自信のなさは、手の動きにもよく出ます。
鼻先をいじったり、髪を触ったり。
そういう仕草も、堂々としていない印象を与えてしまうので損です」
とか…
「ちゃんとしたネタとは何かというのも難しいところですが、一つの定義として
『他の人でも演じることができるネタ』
と言うことはできるかもしれません」
…なんてのは、ホント落語と一緒です

最も響いたのは…
「人類が芸術を生み出したのは、言葉では伝えきれない思いを作品で表現しようとしたからです。
芸術家が感動したとき、それが『感動』という言葉で足りていたら、絵画も音楽も創造し得なかったと思うのです」
…コレを読んだ時、哲学者かと思ってしまった程です
だって此のお言葉、素晴らし過ぎませんか
オール巨人師匠のお言葉、島田紳助さんの説く〈三角形の漫才〉、デビュー当時のキングコングさんを引き合いに出しての〈華〉の大切さ等々…
また、ご自身の漫才を引き合いに出しての具体的な説明は、企業秘密を惜しみなく出してて凄い…塙さんの自信が伺えます



「事務所の『ネタ見せ』がありました。
(中略)僕は自信満々でヤホー漫才を見せました。
(中略)あっさりダメ出しされました。
(中略)でも、僕らは自信があったので、初めて事務所の方針に逆らってライブでそのネタをかけたんです。
そうしたら、会場がまさにうねったのです。
(中略)
自分がこれだと信じられるネタ。それが最強なのです」
表紙に〈令和の漫才バイブル〉と記されておりますが、コレが全く過言ではありません

我々にとっての、談志師匠による『現代落語論』に近い気が致します

漫才を好きな方、コントを好きな方、お笑いを好きな方、是非読んでください

…あ
お笑いに携わる方々、間違いなく必読の書でがんす

