
先ずは『ちいさな独裁者』

第2次世界対戦末期、拾った軍服を着てドイツ大尉になりすました男が、権力を得て暴走し始める様を描いたそうな

さて、如何なもんでしょうか…
サスペンスフルな佳作
いや~、面白かったァ
脚本がいいんだけれど、キャストもいい

岡村隆史さんを冷たくしたような顔の主人公をはじめ、皆さんいい顔してるのヨ
故に、ハラハラさが増すんですワ
改めて「映画と人形は顔が命」だと云う事を痛感しました

美しい撮影は、フロリアン・バルハウス


名撮影監督ミヒャエル・バルハウスの伜さんだそうな
大変素晴らしい二世です
監督は、ロベルト・シュヴェンケ
…どっかで聞いた事あると思ったら、ジョディ・フォスター主演の『フライトプラン』を撮った方でした
最後に…
警備隊長シュッテ役の人が、野性爆弾のくっきーさんに見えて仕方がなかったのは、王ちゃんだけではないでしょう

続いて『岬の兄妹』

山下敦弘監督や、韓国の鬼才ポン・ジュノ監督の現場で研鑽を積んだ片山慎三と云う方の初監督作

衝撃的な内容なので、ポン・ジュノに「君はなんてイカれた映画監督だ
」と云わしめたそうな
香川照之さんや池松壮亮さんからも絶賛され、また『孤狼の血』の白石和彌監督からは「ほぼノーミス映画」と云われたそうな…コレ、どうしたって期待が高まるに決まってるでしょ~

さて、如何なもんでしょうか…
成程…白石和彌監督に、それだけの事を云わしめた作品です

無暗に感傷的にさせないところが、此の作品の凄いところ

同じく真っ向から社会問題を扱った『万引き家族』、あちらはあちらで大変素晴らしい作品でしたが、あちらがウェットだとしたら、此方はドライ

普通の映画(?)ならば、必ず愁嘆場になる場面を、そうさせないのが、此の作品の非凡なところ

それは、演出や編集であったり、いい意味で兄さん役が無様だったり、スラップスティックな笑いをはさんできたり(←ウ○コを投げつけて難局を切り抜ける場面に爆笑
)と、実に様々

「安易に感動(同情)させない方が、考えさせられるなァ…」と云う事を、改めて思い知らされ候

主役2人…特に妹・真理子役の和田光沙さんが、身体を張った渾身の演技
あと、個人的には初めてのお客さんだったおじいちゃん役の方
あの場面、好き
…あ
あと、ピンクチラシヒラヒラも
ラスト、真理子は何を思ったのかしら…現時点で、本年度ナンバーワンかな?皆さんも是非

ところで…
シドニー・ルメット監督&アル・パチーノ主演の名作『狼たちの午後』が、今、リバイバル上映されてるのヨ



…ただ、上映してる劇場が、調布と立川だけで、それも午前10時からだけ


行くべきか行かぬべきか…それが問題だ
(←台所にしろ
…否、勝手にしろ)