野村克也さんによる新刊『巨人軍非常事態宣言』(宝島新書)を読みました

野球にさほど興味がない私(←変にオタクなので、ある一時期…東京ドーム元年の88年から90年までの3年間は、セ・パ両リーグのタイトルホルダーを全て云えますが
)にも拘わらず、野村監督の本は出る度に読みます
重複するエピソードが幾つかあるものの、それすら楽しめますし

どの方にも通ずる人生訓があるからでしょうかね?
例えば、今回響いた部分は…
「私も本を読み始めたのは、現役を引退してからだった。野球選手は体力、気力、知力のうち、世間の人と比べて一番劣っているのが知力。小さい頃から野球しかやってこなかった『野球バカ』が多い。
特に監督、コーチは知力をつけることで、選手からの信頼につながる。選手から『よく勉強しているな』と思われて、信頼を勝ち取れるかどうか。『信は万物の基を成す』だ」
と…コレは、楽屋で以て〈先輩から与えられるアドバイス〉または〈後輩に与えるアドバイス〉とも同じです

「楽から学ぶことは、ほとんどない。なぜ負けたかは嫌でも真剣に考えるが、なぜ勝ったかは考えない。これが不思議なところだ」
…此方はまた、高座と同じで「何故ウケなかったか?何故スベったか?」の時には真剣に考えますし…たまァに、呑んでスベった事すら忘れる時もありますが

「将来を好き嫌いで決めてはいけない。ただ好きだから巨人に行きたい。嫌いだから行きたくないではなく、自分の能力と照らし合わせて、働ける場所なのかどうかが大事で、みんな判断基準を間違っている」
…ってのもありました

いいなと思ったのは…
「ヤクルト監督としては、日本一3回、リーグ優勝4回と主力選手にはいい思いをさせてもらった」
…と、ご自身の教え子である方々の事を思っていらっしゃった事

「私の最後の夢は、稲葉監督と宮本慎也監督が日本シリーズを戦うこと」なんて仰ってたりして


今回も〈野球大好き人間〉の本は、面白かったとです

…とは別に、みうらじゅんさんの『人生エロエロだもの』(文藝春秋)も読みました

『週刊文春』で連載されているエッセイをまとめたものなんですが、コレがべらぼうに面白い



どれも共感出来るエピソードばかりなんですが、中でも『キャバクラ道場』『豪華熟女写真集』『アライグマの如く』…此の『アライグマの如く』は、電車に乗ってたにも拘わらず、思いきり吹き出しちゃいました
わかりますぜ兄貴、そのお気持ちは


みうらさんは、エッセイでも天才を感じさせます
皆さん、嘘だと思うなら立ち読みしてみて
(←いえ、買ってください
)…それと此間、芥川龍之介の短編集を20年振りに読み直したら、読んでた筈の『好色』と云う短編に爆笑させられました

「王楽さん、またァ
芥川龍之介で爆笑はないでしょう
」なんて疑ってますでしょう
読んでみ?きっとキミも爆笑すっから

読書家でもある弟弟子の鳳笑ちゃんに「何でハタチの時に、此の爆笑編の素晴らしさに気付かなかったんだろう
」とメールしましたら、何でも朗読されたカセットがあって、且つ彼はそれを持ってるんだそうな
借りなくっちゃ

