
インドネシアの大虐殺の加害者に焦点を当てた問題作『アクト・オブ・キリング』のジョシュア・オッペンハイマー監督が、被害者側からのドキュメンタリーも撮っていたのであります



虐殺で兄を失った眼鏡技師のアディは、オッペンハイマーの撮った加害者インタビューに衝撃を受ける…
今も怯えて暮らす母親の為にも加害者に罪を認めさせたいと、アディは加害者に無料で診察をすると云い、徐々に核心をついた質問をしていくが…ってな感じで、かなりヘビーな内容です

さて、如何なもんでしょうか…
観てる最中と観終わった後、様々な感情が駆け巡りました。「アディのやった事は、果たして必要な事だったのか」と…だってアディはともかくも、家族が危険にさらされる訳ですから。
ただ、なるべく視野を広くして考えてみると「何てアディは、勇気と知性と寛大な心を持ち合わせた人間なんだろう」と思いました。
家族に対する優しい眼差しを見て、虐殺の首謀者達への冷静沈着な対応を見て、人の上に立つ人間はこういう方が望ましいとも。
とにかく「アレは時代がそうだったから仕方がない、俺達の所為ぢゃないもの」とフツーに幸せに暮らしちゃってる方々には、アナタ方のやった事の所為で長年怯えて暮らしている人がいる事を知って頂かなければならないのです。
アディとジョシュア・オッペンハイマーが身体を張って撮りあげた本作、渋谷駅から些と遠い映画館ですが良かったら是非…駅までの道すがら、作品のテーマに思いを馳せるには持ってこいの距離かも
ただ、タワレコ辺りで忘れるかも
(←それぢゃダメぢゃん)…あ
シアター・イメージフォーラム、シート最高

