2005年から山友会と関わっている、一人の男性がいます。
玉姫公園付近で野宿をしながら、長期間路上生活を送ってきました。
彼が数週間前に山友会クリニックを受診した際、両足がとても腫れていて歩くのも辛そうな状態でした。
また、山谷地域にある訪問看護ステーションコスモスが路上生活者の方たちを対象に行っている喫茶室「いこいの間」にも通っているようなのですが、そのスタッフの方も彼の足の状態を見て、山友会クリニックを受診するよう勧めてくれました。
山友会クリニックでは、傷の治療や足浴等できる限りの処置を行いましたが、既に症状は重くなかなか良くなりません。詳しい検査と専門的な治療が必要な状態です。
専門的な治療を受けるために生活保護制度の利用や入院治療を提案しましたが、本人は頑なに拒んでいました。
山友会事務所の近くで無料低額診療事業を行っている橋場診療所にご相談したところ、可能な限りの検査や治療を行ってくれることになりました。
しかし、橋場診療所の医師からも診察の結果「このまま野宿生活を続けると、歩けなくなる可能性がある」との説明がありました。
診察の結果をふまえて、改めて彼と相談すと、治療のために生活保護申請をすることに同意してくれました。
そして現在は山友会事務所近くの簡易宿泊所で生活しています。
彼は素直で、物静かな男性です。
「いこいの間」から「山友会クリニック」、そして「橋場診療所」につながり、地域の各団体・事業所が連携したことで、ようやく彼の生活は安定することが出来ました。
ご協力くださった皆様に感謝いたします。ありがとうございました。
（相談室 後藤）
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