ドラマ「三体」Netflix版と中国版 | santos008jpのブログ

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 中国版は昨年末WOWOWで放送され、Netflix版は21日に8話まとめて配信となった。昨日までNetflix版を見終えて、さて「どっち?」と思ったが、ここは「どっちも!」としか言い様の無い出来映えだった。おそらく、原作に対するリスペクトの高い視聴者は中国版を推すので有ろうが、正直、原作を読んでいない者にとっては(私もその1人だが・・・)両方とも楽しめた。

 

 確かに違いは大きい。まず、中国版は、当然舞台の殆どが中国。一方Netflix版は、三体と対峙する科学者をオックスフォードの5人組としたからにはイギリスが舞台となる。勿論、ストーリーの骨格となる三体と地球の関わりを作った者を、文革当時の中国人科学者として居る事は共通なので、中国を無視することは出来ないが、中心となる舞台は変わってくる。宛ら、これは「精華大学VSオックスフォード」の様相を呈しているところが面白い。

 

 ストーリーの進め方は、三体星人のシンパで、三体星人達を招き入れようとする一派と、主人公を中心とした対三体シンパ勢力との・・・、謂わば内戦までを描いた小説第一部(全三部作)を30話でまとめたのが中国版である。一方、Netflix版では小説の第二部前半までを僅か8話で進めてしまう。中国版の方が1話あたりの時間が若干短いが、3倍以上の時間を掛けているだけに中国版の方が作りが丁寧だ。Netflix版は話の展開が早く小気味が良い!原作との関係性は、Netflix版が「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(小説)と「ブレードランナー」(映画)で有る事に対して、中国版は「2001年宇宙の旅」(小説と映画は同じ題名)と言ったところか???どちらも名作で有る事に変わりは無いが・・・

 

 さて、過酷な環境下(恒星を三つ持つ惑星系に生きるが為に、安定した環境を得辛く、何度も生物的絶滅期を向かえてしまう)で身体を変化しながら地球人よりも進んだ文明を持ち、「地球侵略」に旅立った三体星人と、一つの恒星(太陽)しか持たず安定した環境(確かに幾度かの大量絶滅期は地球にも有ったが、人類は経験していない)を得ながらもやっと小惑星(月)に人を立たせる事が出来るようになった人類とでは勝負は見えているとも言える。しかし、三体星人達が地球に着くまで400年を超す時間が掛かる。地球人の進歩は、道具を使い~文明を築き~産業革命を経て、現在はA.I.を駆使する程に、謂わば「指数関数的」に進歩してきた。一方、旅立ってしまった三体星人達の進歩は指数関数的とは行かないであろう。ここからは競争となる。その対決をどう描くのか?中国版とNetflix版の競争も併せて・・・これは見物で有る。