作家の遠藤周作さんが「ニセもの展」という催事に出掛けた時の事。


最初から偽作を作る目的でかかれた書画と本物のコピーを並べておかれていて、


それを見ていて明らかに違う事に気がつきました。


それはニセものにはない緊張感が本物にはあるという事でした。


同じように引いた線にも色彩にも、本物には「ピーン」とした緊張感があり、ニセものは何かだらんとしている事に気がついたそうです。


また、サルトルという作家で哲学者が日本に来て、京都の竜安寺の石庭を見たあと呟いた言葉があります。


「要するに緊張感だな」



素晴らしいな音楽家の演奏には間違いなくこの「ピーン」とはった緊張感がある。


サリナジョーンズ、ナンシーウィルソンがブルーノートでライブをした時、私はそこでお客さんではなくウエイトレスをしていました。


仕事の合間にステージに目を向ける。
フレージングやノリよりも何より印象的だったのが、緊張感なのです。


もう20年以上前なのに、その時の怖いくらいの緊張感を今でもはっきり覚えています。


お客として行っていれば、私自身の期待感や興奮もあり、そこには気づかなかったかもしれません。


この緊張感が本物たる証なのでしょうか。


そんな事を考えていたらしばらく忘れていた事をふと思い出した。


私の師匠であったピアニストの故、上野宏之に言われた言葉。


「あんたは本物になれ」



吉川水砂子は今何位
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くりっく
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