夏目漱石『草枕』より 戦争 について | 上質なことばで名作を楽しもう

上質なことばで名作を楽しもう

様々なキーワードから導かれる上質なことば・文章と、それらを含む書籍などを紹介していきます。

『運命の縄はこの青年を遠き、暗き、物凄き北の国まで引くが故に、ある日、ある月、

 ある年の因果に、この青年と絡み付けられたる吾等は、その因果の尽くる所まで

 この青年に引かれて行かねばならぬ。』

                                       夏目漱石 『草枕』

 

 

漱石の草枕を知らない人は、ほとんどいないでしょう。

少なくとも、本の存在ぐらいは国語の授業を通じて知っていると思います。

 

しかし、最後まで読み通したことのある人は、もしかしたら今日では、ごく

少数かもしれません。

 

この作品に対して、「戦争」を連想してもらうことは、少しむずかしいのでは?

と考えましたが、引用の一節が強く記憶に残っていましたので紹介させて

もらいました。

 

世の中には、「戦争反対」を意図する企てが様々あります。

しかしそのどれよりも、この一節が私に「戦争」のなんたるかを、強くイメージ

させるのです。

 

 

草枕 (岩波文庫) 草枕 (岩波文庫)
605円
Amazon