バス停で待っていると、老婦人が、
「女って大変。老いても家事をしないとならなくてねー。」
と、いきなり話し始める。うんうん、そうだねと聞くことになった。
次のバスを待ってると、別の老婦人が話しかけてくる。
「さぶいねー。どごさいぐのー。おら、用事があっていかねばならなくてー。」
と。大変だねーと、バスが来るまでまた聞く事になった。
いちいち話しかけてくるおばあちゃん。
以前、岸壁でぼーっとしてたら、若い男性が近づいてきた。
「俺、離婚したばかりで、どうしたらいいか。」
と愚痴ってきた。ふーんと聞いてたら帰って行った。
誰かに聞いて欲しかったのかな。
ちょっと怖かったんですけど。お金を取られるかもしれなかったし。
東京に行った時、食事を終えて外に出たら、品の良さそうな老婦人が、
「食事の割引券を貰ったんだけど、ここかしら?」
と話しかけてきた。
私が訛ってたから、
「どちらからいらしたの?」
と聞かれた。そして、そこのお祭り素敵だったと褒められた。
ライブを観に田舎から来たという話しをきっかけに、老婦人も、
「最近有名女優の朗読ライブに行ってきたけど、素晴らしかったのよ。」
と話しが弾んだ。路上でそれから30分位立ち話して、手を振って別れた。
不思議な時間だったな。田舎のばあちゃんも都会のおばあさんも、話しがしたいというのは変わんないね。
確定申告の書類を、ショッピングセンターの100人位座れるフードコートで書いてた。
他の席が沢山空いてるのに、私と斜め向かいに対面する席に座ったおじさんがいた。
黙って真っ直ぐ前を向いて座ってたので、うざいなと思いながら、せっせと電卓を叩きながら書類を書いていると、
「申告をパソコンでやろうとしたら、どうしても分からないところがあって、仕事を休んで来ました。」
と話しかけてきた。どこが分からないのかと聞いたら、アタッシュケースから書類を出してきた。分かる範囲で説明すると、
「なるほど。」
と言って、世間話もして帰って行った。
何で私に聞く?
そして、昨日。
ハローワークで、隣に座った女性と5分位話をした事があった。
その人とハローワークでたまたま再会し、予定がないなら、お茶を飲もうという事になった。
何故か気を遣わず、飾る事もなく、話しが途切れず、気がつけば2時間半も話していた。電話番号の交換をし、後日会うことを約束した。
61歳の彼女と60歳の私。
お互い、病気、怪我で長年働いた仕事を辞めて、今無職。
この歳になるまで、いろんな事があったねと話した。
そして、
「今が一番幸せだね。」
と同じ言葉が出てきた。
仕事抜きのなんの忖度も要らない付き合いが出来そう。
勿論、全面的に信用したわけではない。
とても不思議な時間だった。
何で私とお茶飲もうと思ったの?と聞いたら、
「この感じが、話しかけやすいオーラが出ている。」
と私の全身を覆うゼスチャー付きで言われた。
ふーん。この感じって、どんな感じ?
鏡を見てみる。どの辺が?
愉快な仲間達に聞いてみるか。
ぶるー →目尻が下がってるところかな
きいろ →緊張感の無い顔かな
むらさき →若くない人だから
し ろ →おばさん体型だから
ぴんく →金持ち婦人には見えないから
と言ったとか言わないとか。
自分は人からどう見えるか。自分ではなかなか分からないものである。
就職するためのセミナーを受けて、自己分析するというのがあった。
面接でアピールするために、自分の長所を沢山挙げることだそうで。
自分を褒めるなんて、考えもつかない。それでも就職の為にやらなければならないそうだ。
はっきり物を言うし、頑固だし。そんな自分にどんな職業が合ってるのか。
60歳からの職探し、厳しいです。
プライドはバッサリと捨てないと更に難しい。
前職のことは、もう関係ない。
職、見つかるといいな。
なんてね。
