青空、
雲をかすめて上昇していく飛行機を見てやっちゃんが言う、
「あの飛行機がスケスケだったら面白いな♪」
どうやらやっちゃんには、
乗り物が透けて乗客だけが見えているらしい。
座った姿勢の人間達が、
整然と並んで空の一方向を目指し、
摩訶不思議な推進力で突き進んでいく。
相変わらずのいかした想像だ☆
だが、その時に俺が考えていたのは、
一体、何人の人間が、今晩、セックスをするかだった。
当然行われている生殖行為が、
その日はやけに地球規模に感じられた。
多分、マウンテンゴリラが地球上、
650頭程しか生存していない事を知ってしまったからだ…。
「ゴリラの国をつくってみてはどうだろう?
国旗を作って、一応、国連にも加盟させて、各国に大使をおいてさ…」
「お前にしては良い考えだ☆」
エロ話しか関心を示さないたかしくんと、
珍しく会話が通じて意見が一致したのは、
たかしくんが別の意味でアニマルな証拠だ。
その後に語った、
ゴリラの父性の偉大さは無視された。
ゾウは仲間が死んだ土地を訪れる、
墓参りをする動物だ。
年長のゾウは自分たちの歴史や伝統を小象に引き継いでいく。
それも象牙を狙う人間によって断ち切られているそうだ。
ゴリラの瞳、ゾウの目の奥に、
人より優れた叡智が宿っている。
俺にはそうとしか見えない。
文明と科学と高層マンション群に囲まれて、
もし、このマンションが透けて見えたら、
今晩、
何人の人間が空中でセックスしているのか想像する。
地球上のゴリラとゾウ、
絶滅に瀕した動物達も増えますように☆