蛇の毒は後で効く 

蛇の毒は後で効く 

このブログでは明日を生き抜く為の嘘と
よこしまな友人たちにまつわる話が紹介されています。

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少なからず人は、己の人生の狂信者だ。

価値や意味があると信じて、輝く時を夢見ている。

しかし、

その願望は虚しく消えて、二度とその時が訪れないと気づいた時、

あの熱狂的な想いは、何処に行き場を求めて、形を変えるのだろうか?

理性と叡智よ、今こそ答えてくれ!

 

「どうして俺は、車を持っているのにモテないんだろう?」

しょげたおっさんと化したマサルが呟く。

無論、戯言ではない。

奴の頭の中では、「車を持っている=モテる」が成立している。

「こわもてがタイプ」と言っていた女に、

マサルを紹介しようとしたら、

「おっさんだから会っても無駄」とにべもなく断られた。

奴が二十代に掲げた方程式は、科学雑誌に載る前に崩れていた。

 

そんなマサルは、

年末恒例の麻雀で、当たり牌を見逃して、

自身でツモったのにも関わらず、

チョンボ扱いされていた…。

 

モブ扱いのマサルを見て、

自分もいつの間にか舞台から下りていた事に気づいた。

世界の不幸、不条理を我が身の事のように受け止めない限り、

人は、己が人生の主人公に立ち返る事は出来ない。

我執を削り落として悲劇と対峙する時が来た。

 

世界には己が人生を信じる事すら出来ない人がいる。

「かものはしプロジェクト」に参加してほしい。

知れば、

マサルの代わりに寄付をしたくなるはずだ☆

 

 

知的好奇心に基づく行動こそが冒険だ☆

おっさんになっても、未だ冒険の書Ⅰを記録し続けるたかし君は、

ひょんな事から3人の男女と飲み会をする事になった。

50歳を過ぎたデブのおばさん、

爽やかなゲイ、

引きこもりのノッポ女、

そして、たかし君。

そうそうたるパーティーになりそうな予感…。

たかし君の引きの強さがうかがえる。

「俺、結婚しているから!」の呪文は、

たかし君の防御力を上げた。

爽やかなゲイのエロ話は、

もちろん男同士の絡みなので盛り上がらない。

どうやら、引きこもりの女はゲイの友人で、

ゲイが呼ばないと家から出てこない。

意外とデブのおばさんが常識人であったが、

飲み会中に警察から電話があって、

十代の娘がラブホで補導されたと。

こんなカオスな状態がいつまで続くのか…。

よく見ると、

引きこもりのノッポの女は、体格もそうだが、

顔もいかつくて…。

 

「君は、男だよね♪」

たかし君の会心の一撃だった。

空気が凍り付いたのち、

「今度、みんなでバーべーキューをしようよ♪」

かりそめの秩序と平和がもたらされる。

混沌が去り、こうして世界は守られた。

以来、

冒険者たかし君に、

50歳を過ぎたおばさんの本気の求愛が止まらない☆

母性を捨て、

「必ず満足させるから」と女として生きる決意を固めたおばさんと、

たかし君に幸あれ!

 

『時間は存在しない』という本を読んだ。

最新の科学と、先人達の偉大な哲学をもとに、

時間の正体を探る内容だ。

うすうす時間が存在しないことに俺は気付いていた。

その確証を得る為に読み進めるも、

途中、真実を拒絶する俺の脳が、

強い眠気に襲われたのは言うまでもない。

おっさん二人のキャッチボールを眺めるのと同じ過程だった。

 

たかし君とマサルが何故、キャッチボールを始めたのかは不明だ。

そのきっかけは謎だし、

当の二人にも確信があってやっている事ではない。

奴らの下手くそなキャッチボールは続くだけで発展がない。

マサルがグローブを買ったり、

たかし君がボールに『マサル』と名前を書いてやるぐらいだ。

 

たかし君、

「おい、マサル。九九の七の段言ってみろよ」

と、意地悪く言う。マサルが七の段を言えないのを知っているのだ。

マサル、

「何でお前の言う事を聞かないといけないんですか?

 今、言う必要があるんですか?」

と、憎まれ口を叩く。

「うぐっ」と言い返せないたかし君。

 

30年という月日が経っても、

こいつらが同じやり取りをする光景を見て、

ああ、本当に時間は存在しないんだなって思った☆彡

 

時間を計るにはエントロピーの増大さぐらいしかないそうだ。

次の日の健康診断の際、

「視力とか聴力は良いんで、自分のエントロピーを計ってくださいよ」

と、美人看護師に言ってみたが、冷たい視線が返ってくるだけだった。

 

「時間は存在しない」を呼んで軽く絶望した。

所詮、人は情報の集積回路の一つのに過ぎない。

健康診断で分かる、少し背が伸びる情報集積回路だ★