Zoom導入の弱点 | 算数ソムリエブログ-中学受験突破のために-

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中学受験にまつわるココだけの話

関西の大手塾でも、コロナ休みに対する対応の差があり、振り回された保護者の方が多かったように思います。

 
 
関西大手塾といえば、2大巨頭の浜学園、希学園、両者の対応差は『らしさ』が出てて面白かったです。
 
 
塾が一斉にお休みになった最初のうちは、浜学園塾生の保護者の皆さん側に、「webが充実してて良かった、浜で良かった」という雰囲気が流れたのですが、「子供たちは主体的にweb授業を視聴しない」ということが段々と見えてきて、管理されない学習コンテンツの欠点が顕在化されました。その結果「希のzoom授業いいなぁ」という空気に変わっていきました。
実際、またいつ出るか分からない緊急事態宣言に備え、zoom対応のある希に転塾しようと考えたり実際に行動に移した人も多かったようです。
 
 
希はそもそも少人数クラス体制であったことから、zoom授業との親和性が高かったんだと思います。zoom自習室なども、コワモテ顔の先生が画面に映ってるだけで家での自習も緊張感を持って出来た、などといった声も聞こえてきたり(笑)
 
 
しかし、zoom対応で上手くいったように見えた希の方にも大問題が起こります。
 
 
それは、模試の運営です。
 
 
公開テストをはじめとする各種模試をいくつか、希はzoomによる家庭内受験という形で実施しました。ここで出てくる大きな問題は
 
 
『公平性の担保』
 
 
です。
国語の漢字や理科社会の暗記物、テキストで調べて答案を書いたり、なんだったら終わってから書き直したり、申告点数を改竄したり、いくらでもできるじゃないかという不正を許容してしまう環境が、そこにはあったわけです。
 
 
もちろん誰一人不正をしなかった可能性もありますが、どうしてもそれを保証する環境ではなかった点が、大きな課題として残りました。昨日実施された模試は、試験終了の合図で答案用紙を写真撮影して保存という対応で、不正防止に努めた模様ですが、それでも十分な環境とは言えません。
 
 
 
 
そういう意味で、模擬試験運営というのは、
 
「特定の時間」に「特定の場所」に集まって、「厳戒管理下」で行われることが必須条件であることが見えたように思います。
 
 
時代が進み技術が発達しオンライン塾の成立が普通になっても、
 
「多くの人数を集めて模試を実施する」
 
という部分だけは、まだまだ大手の果たすべき役割として残っていきそうです。
 
 
ただ、塾が長時間拘束することの意義、がほぼ無いことは今回のコロナ休みをきっかけに明らかになったのではないでしょうか。
 
 
他塾に生徒を取られたく無い一心で、これまで大手塾はできるだけ拘束時間を長く、またはできるだけ多くのイベントを打ち出しそれに参加しないと波に乗り遅れ合格できない、ぐらいの空気感を顧客に感じさせる手法を取ってきたわけですが、そのやり方はもうオワコンだと思います。
 
 
必要以上に、大手塾のイベントを利用する必要はありませんので、取捨選択しながら上手に塾と付き合ってみてください。
 

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