最近では花壇でも時々見る機会がありました。

 盛夏、旧盆のころに咲くので結構昔から有名というか、よく利用されています。

 名前も最初に覚えたのが「ボンバナ」でした。

 

 

 でも「ボンバナ」だと、本人の気持ちも良くないのでは・・と思います。

そしたら「ショウリョウバナ」があると知りました。

「少量・・花・・?」、花はいっぱい咲いてるのに・・?

 そしたらショウリョウは少量ではなくて「精霊」なのだと・・コレほんとの話。

 

 

 自分の中では秋を告げる花のひとつですが、7月の後半から咲き始めました。

 「ミソハギ」です。 漢字では「禊萩」です。

 

 

 ミソハギ科、ミソハギ属の多年草です。

 生まれ故郷は、日本と朝鮮半島あたりです。

 別名が「盆花」とか「精霊花」です。 

   で、昔、禊(みそぎ)の儀式を行う時に使った花だそうで、そこからついた名前だそうです。

 

 

 それならば、政治家だけでなく不祥事を起こして、記者会見でお詫びをする時には、この花を横に飾らないとダメ・・なんて言ったこともありました。

 

 

 初めはビオトープや湿地とかでないと育ちにくいと思ってましたが、近くの団地の花壇の脇に固まって咲いてました。

 でも普通は他の草たちとの日光採り競争で背をずっと伸ばして、ごちゃごちゃしたところで咲きます。

 

 

 そしてこのミソハギにそっくりさんがあって、「ミソハギ」と「エゾミソハギ」です。 エゾと言う名なら北海道などの寒い所にいるのかと思ったら、近所の郊外にもちゃんといるようです。 二つならいいかって思っていたら、最近この中間的な花があると聞いて・・これは困惑というか分かりません・・。

 

 

 で、先に違いを整理してみました。

①ミソハギは葉っぱが細長く対生で交互に直角、つまり十字対生のように付きます。そして、後で登場する「エゾミソハギ」と違って、葉が茎を抱きません。

 

 

②花での違いは、ミソハギの萼と萼の間の尖った付属片が開出するのに対して、エゾミソハギの付属片は立ちあがるというか、直立します。

 

 

 

 そして、ミソハギとエゾミソハギの中間的?なのにメミソハギがあるそうです。

 その違いを資料で見つけました。

①ミソハギは、萼片の突起が横を向いて、茎には毛がなくてツルツルしている。

②エゾミソハギは、萼片の突起が上を向いて、茎には細かい毛が生えています。

③メミソハギは、萼片の突起が斜め上を向いて、茎には無毛又は微毛があります。

 

 

 盆花としての利用の他にも、昔から薬草としても使われて「下痢止め」に効果があるそうで「千屈菜(せんくつさい)」 という名前ですが、どうやら本来の「千屈菜」とは上の「エゾミソハギ」のことだそうです。

 

 

 この花は夏の野草の観察会でもよく話題になるそうです。

 花の作りは、萼が6、萼片と萼片の間に尖ったものがあり(付属片となっている図鑑もあります)トゲのようです。

 花びらは4~6枚とされています。でもそんなのあり?。

 雄しべは12本で6本が長く、6本は短いです。そして雌しべ、どうやらこの長さにいろんなタイプがあるようです。

 

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 この雄しべや雌しべの長さの違いですが、他にもいろいろな花でも見られます。

同じ花同士で受粉しないようにする工夫です。

 

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 このミソハギたちは自家受粉をしないようにする工夫が複雑なようです・・・

 いろいろと調べている方のレポートがありますが、長い6本と短い6本の雄しべですが、雌しべにも長短がある、いや雄しべ・雌しべに長・中・短があるようです。

 

 

 それを整理すると・・・

 ①雌しべの長い花には、中くらいの雄しべと短い雄しべあります。

 ②雌しべの中くらいの花には、長い雄しべと短い雄しべがあります。

 ③雌しべが短い花には、長い雄しべと中くらいの雄しべがあります。

 こういう組み合わせになっている・・というのです。

 

 これは雌しべが長いタイプ。花柱が伸びて、丸い柱頭が突き出ています。

 

 こちらは雄しべが長いタイプです。

 

 

 

 

 

 

 エゾミソハギのことを忘れていました。

 漢字では「蝦夷禊萩」です。

 ミソハギ科、ミソハギ属の多年草です。

 北海道〜九州で、特に湿地などに群生します。

 

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 エゾと付いていますが、九州にも暮らしています。 日本以外でもユーラシア大陸、北米、さらに北アフリカにもいるそうです。

 そして「世界の侵略的外来種 ワースト100」にも堂々と名を連ねています。

 エゾの方がより湿地に多いようです。

 草丈はやや小ぶりで50~100cm程度です。

 

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 ミソハギに似ていますが、葉っぱは対生に付くのと3枚が輪生してして付くのがあります。形は長披針形〜広披針形で先が尖ります。

 基部は円〜浅円形で、少し茎を抱いた感じです。

 花での違いは、上記したようにミソハギの萼と萼の間の尖った付属片が開出するのに対して、こっちは立ちあがるというか、直立します。

 

 

 花は萼片が6つ、萼片の裂片の間に付属片みたいのがあって針状に尖っています。

 花びらは6つ、お馴染みの紅紫色です。

 花は苞葉の脇に1~3つずつ咲きます。 

 

 

 花のつくりはミソハギと同様で、雄しべは12本あって、長いの、中くらい、短いの3パターンです。 

 雌しべは1つです。

 果実は蒴果で熟すと弾けます。

 

 そしたら、これの「黄色」の花をつけるのがあるそうです。

 「キバナミソハギ」というらしいです。

 南米のブラジルやウルグアイから観賞用として連れて来られたようです。

 

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