最近、近所の遊歩道などにも植えられて目立ちます。

 背丈も大きく、黄色い花をいっぱいつけて、なにより虫たちが大喜びしています。

 

 

 「オミナエシ」です。もちろん漢字にすると「女郎花」です。

 スイカズラ科、オミナエシ属の多年草です。

 

 

 別名を「チメグサ」とか「ハイショウ(敗醤)」です。

 北海道~九州で暮らしています。日本以外には中国やシベリア東部でも見られるようです。

 有名になったのは、山上憶良さんの秋の七草に選ばれたからかも。

 

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 オミナエシの名前にはこれまたいろいろ説があるそうで、

①「女圧(オミナエシ)」で花の姿が女性を圧倒するほど美しいから・・という説。

  これには不同意ですけど・・。

②花の黄色粒状のを「粟飯」として「オミナエシ(女飯)」と呼んでいた。

 オトコエシは白飯で男飯という意味です。

 

 

 有名な敗醤はこの植物の全草を乾燥させて煎じたもので、解熱・解毒作用があり昔から利用されていました。

 

 

 葉っぱは対生についても羽状に裂けています。

 

 

 そして高く伸びた茎の上であちこちに分枝して広がって、黄色い花をけます。

 この花が小さくて・・・

 

 

 ひとつの花の直径はと測ると4mmくらいしかありません。

 でも数で勝負です。

 

 

 花は花冠の先が5つに裂けて、5つの花びらになっています。

 そして何故か雄しべは4つです。

 

 

 雌しべの柱頭が丸くなっていました。

 出来る果実は痩果です。

 

 

 このオミナエシの名がついていて、山で暮らすのが「ハクサンオミナエシ」です。

 漢字では「白山女郎花」です。

 主に本州の北陸、中部以北~東北の亜高山帯、高山帯で暮らしています。

 となれば、日本固有種です。

 

 

 名前からすると、もう秋の七草の山版にしたいくらいです。

 黄色くて小さい花が密集していて、それで注目度アップです。

 

 

 草丈は高山植物なので20~60cmくらいです。

 里の女郎花よりずっと低い草です。

 

 

 葉っぱは対生に付いて、掌状に3~5つに大きく裂け、その裂片には歯牙や欠刻があります。

 

 

 これはまだツボミがたくさんありました。

 

 

 花はオミナエシにも似ています。

 黄色い5弁花です。

 よく見ると・・・図鑑に書いてありました。花の基部には距があります。でも小さくて・・そう言われてみればそうか・・つて感じ。

 

 

 花は5~6ミリくらいしかありません。

 筒状の花で、先が5つに平開します。

 花びらのひとつひとつは丸みのある可愛い花です。

 やっぱり何故か雄しべは4つです。雌しべは1つです。

 

 

 

 この七草のオミナエシと対をなすのがコレです。

 「オトコエシ」です。 漢字では「男郎花」です。

 でもあまり見かけません・・・

 

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 スイカズラ科、オミナエシ属の多年草です。

 北海道から九州、そして朝鮮半島、中国が生まれ育った所です。

 草丈は1m前後です。根元から長い匍匐枝を出してその先に新苗を作って殖えます。(オミナエシは地下茎で殖えます)また、茎下部には白い粗毛が多く生えています、でも上の方は少なくなっています。

 

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 葉っぱは対生について、多くは羽状に分裂しています。裂片は卵形~長楕円で頂裂片が一番大きくなっています。

 花は散房状に白い小花を多数つけます。オミナエシは黄色の小花で粟飯に例え、これを女性が食べるものとしました。一方、オトコエシは白い花なので、白飯、つまり米で、御主人、つまり男飯です(男尊女卑の象徴)。

 

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 花冠は5裂していて、雄しべは4本、雌しべは1本です。子房の下に接して小苞が付きます。

 

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 このオトコエシとオミナエシの交雑種が出来ているそうです。白と黄色の小粒の花を付けるそうです(まだ、見ていません)・・そして名前が「オトコオミナエシ」というそうです・・!?。

 このオトコエシを全草、乾燥させて生薬にしたものが「敗醤」という解毒剤です。