陽の当たらないし、湿気も多く、苔もいっぱい生えているような場所。

 岩もあったりして・・

 そこに小さいけど咲いていましたいました。

 

 

 「ケイワタバコ」です。  漢字では「毛岩煙草」です。

 イワタバコ科、イワタバコ属の多年草です。

 

 

 名前と花のイメージがどうも一致しないので、なかなか名前が残りません。

 そんなに珍しい花でもないようですが、咲いている時期に会えるのが少なくて、噂だけは良く聞きます・・っていう程度でした。

 

 

 名前のいわれは単純です。「葉っぱがタバコの葉に似ていて、岩場によく生えているから」だそうです。

 この仲間というか、基本種があって「イワタバコ」ですが、このイワタバコの変種とされているそうです。

 イワタバコは「東北南部~九州にかけてで、花は7~8月に咲いて、葉や茎などが無毛。さらに葉の基部が左右相称でシワが目立たない」というのが違いとありました。

 

 

 本州中部や関東ではこのケイワタバコが殆どだそうです。

 花茎、萼、葉の裏などに軟毛があるので、毛が名前の最初につけられました。 

 

 

 花に比べて葉っぱが大きいのが分かります。

 陽も差さないような湿気の多いところでも、少しでも陽を浴びようとしているのかも知れません。

 

 

 この葉です。 サイズは10~30cmくらいの長さで楕円形、楕円状倒卵形で、縁には不揃いながらはっきりと鋸歯があります。そしてイワタバコとの違いにあったように、葉の基部は左右非相称で丸味があります。葉の先は尖っていました。

 

 

 葉の表面は光沢があって、シワもたくさんあります。

 図鑑では「葉脈はシワ状に凹む」とあります。

 さらに、この葉の若葉は生食できるそうです。

 

 

 花は葉腋から10~30cmくらいの花茎ほ数本出して、先にこのような花を付けます。 小さな花で直径でも1.5cm前後でしょうか。

 花は筒状になっていて、先が5つに分れ、花びらの先が反り返るくらいになっています。 筒部や花茎にも白い軟毛があります。

 

 

 花の中心部に白地に橙、黄橙色の斑紋のようなものがあります。

 丸くなっていたり、5つに分れていたりしています。

 昆虫への案内図でしょうか・・。

 

 

 雄しべが5つあって雌しべの花柱を囲んでいます。葯は黄褐色っぽい色です。

雌しべの花柱は細長くて突き出ていました。

 

 

 出来る果実は蒴果です。