郊外の里山道では普通に咲いています。

 でもその名前で相当人から敬遠されているようです。

 もちろん本人に責任はないし、本人の関知するところではありません。

 昔はヒトの役にたってたくさん犠牲になってくれました。

 

 

 「ハエドクソウ」です。 漢字では「蠅毒草」です。

 ハエドクソウ科、ハエドクソウ属の多年草です。

 

 

 全草が毒草です。この植物を煮詰めて汁をハエトリ紙を作ったそうですよ。

 食虫植物にも「ハエトリグサ」ってありましたが(歯みたいなのが・・・)、こっちは地味です。

 

 

 日本全国、北海道から九州までに住んでいます。海外でも朝鮮から中国、さらにはヒマラヤまで・・。

 

 

 名前を聞いただけで、眉をひそめる方もいますが、植物学的には、1属1科の珍しいものなのだそうです。 

 それで改めて資料を探しました。そして最近の資料では違うようです。

 

 

 最新のレポートでは、このハエドクソウの仲間にはもともとの1種だけの説と、3種あるという説があったそうです。

 ワールドフローラオンラインやフローラオブチャイナは1種説 ワイリストなどは3種説で、いずれも権威のあるものです。

 そして、最新の分子系統解析によって3種説が示されたそうです。

 

 

その3つというのが、

①「アメリカハエドクソウ 」でカナダ~アメリカ合衆国で暮らしているもの。

②「ハエドクソウ」で日本の在来種。

③「ナガバハエドクソウ」といい、日本はもちろん 千島列島、韓国から中国や台湾、そしてモンゴルやロシア、ネパール、インド、パキスタンなど広範囲にくらしている種です。

 

 

 草丈は50~60cmくらいかな、直立しています。茎に下向きの細かい毛が生えています。葉は下の方にあって、対生して長い葉柄があります。卵形かな、粗い鋸歯があります。

 茎先や葉腋から出る枝先に細長い穂状花序を出して対生して花を付けます。小さい花なので・・なかなか気づいて貰えません。 

 

 

 萼のようなものが先が唇形になった筒状で、上唇にはトゲのようなものが・・下唇にもトゲっぽいのが・・でもよく分かりません・・。

 花は筒状で白です。薄いピンクもあるようです。 花は唇形花で、上唇は浅く2裂しています。下唇は3裂して大きく開いています。大きくといっても、注意して見ないと区別もできませんが・・。

 

 

 

 雄しべが4本、雌しべが1本。

 雄しべは前側の2本が長く花糸は糸状 雌しべの柱頭は2つに分れます。

 出来る果実は蒴果です。 痩果という図鑑もありました。 

 ヒッツキ虫になります。

 

 

 

 当てになりませんが、上がハエドクソウ、下がナガバハエドクソウ。