この仲間は早春のオオイヌノフグリからこの花まで、そして里から高山まで、いろんな仲間がいます。
「ミヤマクワガタソウ」です。 漢字では「深山鍬形」です。
オオバコ科、クワガタソウ属の多年草です。
本州中部以北~東北の亜高山帯や高山帯の湿気のある岩礫地が暮らしやすいそうです。
なので、日本固有種なんです。
基準標本は「戸隠山」ですが、多くは東北の飯豊、月山、鳥海山と北アルプスなどです。
また、山陰の伯耆大山には変種があり、「ダイセンクワガタ」がある・・と武田久吉先生の「日本高山植物図鑑」に記載されています。
茎は15~25cmくらいです。粗毛があります。
葉っぱは茎の下に集まるように対生して付き、卵状楕円形で先が尖ります。葉の基部はクサビ形。縁には不揃いの鋸歯があります。
花はお馴染みのデザインです。
でも花色の幅はあり、多くは青紫色です。また、紅紫色のタイプもいます。
そしたら、この青紫色は白馬岳型といい、紅紫色のは北岳型と分けているそうです。 特に上の大きい花びらに濃い色のスジが入ります。
花は花冠が4つに深く分かれ、萼も4つに分かれます。
萼片は倒披針形で先が尖ります。
雄しべは2つ、雌しべは1つで、花冠から大きく飛び出しています。
これにもやはり白花があり「シラユキミヤマクワガタ」といいます。
葉っぱに毛が密生するのか「ミチノククワガタ」です。
葉っぱにさらに重鋸歯があるのが「バンダイクワガタ」です。
で、実は「クワガタ」って初めは漢字から農具のクワガタ(鍬形)からですが、平安時代以後の身分の高い武将が戦で身に着けるカブトと兜についている角状のものからだそうです。
出来る果実は蒴果です。