今年も春と言えば、この花を欠かすことが出来ないのですが、とに角、見分け方が自分にとって難解で・・いつも逃げています。

 写真だけは撮っているので、凄い数になっていますけど。

 

 

 もう夏なので、里では花は終わり、スミレたちは閉鎖花をつける時期にりました。

 でも山に入れば、まだまだ咲いています。

 そんなスミレ、なんとかひとつ名前もわかりました。

 

 

 「ニョイスミレ」です。

 別名も同じくらい知られています「ツボスミレ」です。

 漢字では「如意菫」と「坪菫」です。

 スミレ科、スミレ属の多年草です。

 

 

 苦手なスミレなのに、そして数あるスミレの中で今年これを選んだのは

①6月に山中の脇道で出会ったから

②この名前の意味を知りたくなったから・・・です。

 特に②についてです。

 なんで「ニョイ」なのか・・・ヨーロッパ生まれのスミレに「ニオイスミレ」っていうのもあるのでますますややこしい・・。

 

 

 ニョイ・・葉の形が僧侶の持つ仏具の「如意」に似ているからついた」とされます。如意とは「思い通り」のことで、自在に痒い所に手が届く・・となり、古代中国で王や宮人、貴人が手にするようになり、装飾工芸品のような要素が加わり、さまざまに細工がされている。

 

 

 先に雲やキノコの一種の「霊芝」、蓮などの形をしたものが多いが「心」という文字を表しているという説もある。

 「孫の手」のような親切心を仏、菩薩の思いやりの象徴としてとらえ、僧侶の威儀を正すための仏具となったそうです。

 仏具の如意は玉、角、木、竹、銅などを素材として作られ30~40cmくらいです。

 

 

 で、このニョイスミレは在来種で北海道から九州の里から産地のやや湿気のある所で暮らします。日本以外でも朝鮮半島、中国、台湾にもいます。さらに、ロシアやモンゴル、南ではベトナム、タイ、マレーシアとかなり範囲です。

 

 

 スミレの図鑑は「山渓ハンディ図鑑・増補改訂日本のスミレ」が頼りです。

 そこに「花は1cm前後と小さい。唇弁には緻密な紫色のすじがあり、側弁の基部には毛がある。距は白~淡緑色・・」とあります。

 

 

 この唇弁に筋のないあって、それを「シラユキスミレ(白雪菫)」というそうです。 もう宝塚の世界です。

 

 

 近縁でよく似たのも本当はいろいろあって、「ヒメアギスミレ」や「アギスミレ」と言うそうです。でもここになるともう手に負えません。

 この両種はニョイスミレの変種で、日本の環境によって変化したもののようで、共に日本固有種です。
 

 

 側弁に毛がありました。これでニョイスミレってしました。
 

 

 北アルプスや白山から八甲田山まででは、このニョイスミレの高山型が暮らしています。「ミヤマツボスミレ」というそうで、今年は会えるといいけど・・・。