里でも近所でもあんなにたくさん咲いていたシャガが終わり、そのあとにこれが咲いてくれるのですが、今年はいつもの所に咲いていなくて、見れないで終わったとあきらめていました。
でもちょっと離れた山で出逢えました。
こんな斜面でも結構多く咲いてます。
「ヒメシャガ」です。 漢字では「姫射干」です。
アヤメ科、アヤメ属の多年草です。
別名が「カッコウバナ」です。 カッコウが鳴く頃に咲くことからのようですが、カッコウの鳴き声を聞きながら見たことはありません。
4月中旬まで圧倒的に多く咲いていたシャガに比べて一回り小さく、花色も控え目です。でもシャガとは違います。
シヤガはみんなクローンですが、これは違います、ちゃんと結実します。
なにより日本固有種です。
山渓カラー名鑑「日本の野草」には、ヒメと名前がつく野草が39種載っています。個人的にはその中でベスト5に入るかな・・って思います。
地下茎を長く伸ばして群生します。
葉っぱはアヤメ属なので剣形で薄く細長い葉です。 でも寒い冬には葉は枯れてしまいます。ジャガは常緑です。
花はアヤメの仲間ですから共通していることが多いです。
萼がもとの外花被片が3つあり、花びらの中央が白っぽくて黄色い斑紋のような模様や紫色のスジが入ります。
本来の花びらの内花被片も3枚ですが、これは外花被片よりも小さくて幅も狭いのです。そして先が少し切れ込みます。花びらの模様もありません。
花は雌しべがよくわかりますが、やはりアヤメの仲間なので、フサフサになって花びらのようにも見える雌しべが3つの外花被片の上にあり、雄しべはこの雌しべの裏に隠れるようにあります。
以前に撮った白花に見えるのもありました。
出来る果実は蒴果です。
そしてこれも準絶滅危惧種になっています。