山野草としてここ数年に急に仲良くなった花のひとつです。

 狭い日本でも気候が大きく異なるので、その地域で特徴ある仲間がそれぞれ暮らしています。

 

 

 「イカリソウ」です。  漢字では「碇草」、また「錨草」です。

 

 

 メギ科、イカリソウ属の多年草です。

 まずは「イカリソウ属」について・・

 世界には20数種という図鑑と、50種という図鑑がありますが・・「エピメディウム」というのがこのイカリソウ属の学名です。

 アジア~ヨーロッパにいろんな種類が暮らしています。

 

 

 そして「イカリソウ」は東北南部~四国の主に太平洋側の丘陵、山麓、雑木林に暮らす日本固有種です。 もともとは「ヤチマタイカリソウ」という種の変種とされているようです。

 花の四方にある距が船の錨に似ているのでついた名前です。

 別名に「カグラバナ(神楽花)」とか「ヨメトリグサ(嫁取草)」など・・ 

 

  

 資料では「狭義のトキワイカリソウは花が白いものとし、紅紫色のものはオオイカリソウとして区別する説があるそうです。

 太平洋側と日本海側の多雪地帯で品種が異なり、太平洋側では葉っぱが常緑でなくて基部が浅い心形になるもの、花色は白~紅紫色の「イカリソウ」が多い。

 

 ※上のは「トキワイカリソウ」です。 日本海側に多いイカリソウです。トキワは常盤で常緑の意味です。

 

 東北~山陰の日本海側の多雪地帯のイカリソウは常緑で刃っぱが2回3出複葉、花色は白~紅紫色です。これがトキワイカリソウと呼ばれます。

 

 

 根茎が横に這ってたくさんのヒゲ根を出します。

 葉っぱは根生葉に長い葉柄がついて2回3出複葉です。

 中国では「三枝九葉草(さんしくようそう)」の名がつけられています。これは、茎先が3つの葉柄にわかれ、各々に3枚の葉がつくのでこの名がついているそうです。

 小葉は卵形で先が尖り、基部は心臓形・・、縁にはトゲのような鋸歯があります。

 

 

 最近は公園、植物園で仲間が植えられています。

①「トキワイカリソウ」、②「キバナイカリソウ」、③「バイカイカリソウ」、

④「ホザキイカリソウ」、⑤「ウラジロイカリソウ」などです。

 

 

 花は、萼片が2輪で8個、花びらが4つで平~袋状で、外側が長く、蜜腺のある小袋のような「距」になっています。雄しべは4つあって花びらに対生して、花糸は無毛で葯は裂開します。雌しべは1つ。

 

 

 この花の有名なのは、薬草としてで、昔から中国では「淫羊藿(いんようかく)」と言い、薬効として精力増進、強壮、鎮静、ヒステリー予防などに使われたそうです。

 出来る果実は蒴果です。