カンザクラ系の咲く順番はその年の気候、地域によってイロイロのようです。

ここでは、今年は河津桜とほぼ同時に咲きました。

 

 

 「カンザクラ」です。  「寒桜」です。

 もちろん、バラ科、サクラ属の落葉小高木です。

 学名が「Prunus kanzakura」といいます。

 

 

 カンヒザクラ(寒緋桜)とヤマザクラ系統のサトザクラや早咲きのオオシマザクラとの雑種と考えられているようです。

 

 

 秋から咲いているサクラよりも花の数も多く、ちょっと華やかです。

 一番寒い時に咲いてくれるサクラでしょうか。

 

 

 歴史は古くて、江戸時代から鑑賞用として栽培されていて、寒中(1月中旬)に咲くので「カンザクラ」と名付けられたそうです。

 

 

 実際には、両親の内の片方がカンヒザクラ(寒緋桜)」なのはみんな「寒桜」といっています。

 例えば、熱海桜、河津桜、大寒桜、などをいっています。

 まあ、新年早々(年末から咲いているヤツもいますが)に咲いて、春よ来いって思わせてくれる花です。

 

 

 もちろん花びらは5つ。

 雄しべは40本前後ですが、まだ数えていません。

 雌しべは1つ。

 

 

 名前は「寒」なのですが、意外と寒さに弱いといいます。

 気候の変化には微妙というか繊細に対応するそうです。その時によって、12月の中頃に咲く時と3月になって咲く時もあるようです。3月に咲く時には葉っぱが出るのと同時に咲くようです。


 

 ツボミの時には濃いピンクですが、花は淡いピンクです。

 

 

 ツボミが濃いのはこの萼を見れば納得です。

 

 

 その片親の寒緋桜ですが、中国の南部や台湾が故郷のサクラです。

 一説によると石垣島や久米島にもあるとされますが、これは外から持ち込まれたというのが有力のようです。

 なので、日本のサクラの自生種とはしていないのが一般的です。

 

 

 この寒桜と河津桜の違いは細かくはいろいろあるようですが、どうもイマイチです。花柄に毛がある、なしでの区別も書きましたが、どうも違うようで、毛のないのが普通のようです。

 そこでさらに調べ直しました。

①寒桜の花びらは縁が内側に巻き込むのに対し河津桜はほぼ平に開く。

②寒桜の萼片は釣鐘形で幅は中央が広く、河津桜の萼片は先が鋭く尖り、内側に巻き込む。

 この2点で比較するとよいようです。

 

 

 

 

 

 雄しべと雌しべです。

 この付け根の所には蜜がいっぱいあります。

 

 

 稀に果実を実らせることもあります。