普通は寒中に早く立春にならないかな・・って思い、梅の開花の知らせが届くと、もうすぐ春って感じなんです。

 でも、今年は東京では1月9日に開花宣言がありました。例年より13日早く、横浜では1月15日で、17日早いそうです。

 

 

 でも桜(ソメイヨシノ)の開花宣言に比べると、なんと静かな宣言でしょう。

各地の管区気象台で、標準木が5~6輪咲いたののを確認して発表するそうです。

 昔から春告げで最初に咲く「梅」が花見の中心だったそうですけど、今では完全に桜にとって代わってしまい、梅はちょっと淋しいかもしれません。

 

 

 その梅は「白梅」だそうです。

 まぁ、白梅、紅梅は花の色ではなくて、材の色だそうですけど、いちいち切るわけにもいかないので、この白い梅で十分です。 
 

 

 ウメについては、何年かかけて調べたものが「メモ」にあるので、今年も復習をして、これから咲いてくれる梅になるべく失礼にならないようにしたいと思います。

何て、言ってもすぐに忘れてしまうのが毎年のことですけど・・。

 

 

 まずはウメとは何者でしょうか。

①バラ科、サクラ属の落葉高木~小高木です。また出来る果実も梅です。

②生まれ故郷は中国の江南地方と言われています。

③梅の木には「実を採る」ためのウメ、これは「実梅」です。

 一方、花を観賞するのを目的にしたのが「花梅」です。

 

 

④実梅の代表は有名な「南高梅」です。日本では梅林が16200haあります。南高梅はその3分の1の5600haで栽培されています。

 次が花も鑑賞する「白加賀」で2300ha、次が「竜狭小梅」で500haくらいです。ちなみに収穫量は111400tです。県別では「和歌山県(71400t)」、「群馬県(5400t)」、「奈良県(2750t)」、「長野県(2200t)」で以下は三重県、福井県、山梨県、神奈川県の順です。

 

 

⑤花を観賞する「花梅」ですが、大昔から品種改良されていて、現在では登録されているので300種、名前登録されていないものもあり、あわせると400~500種とされています。

⑥一般的に花は2~3月に葉っぱの展開前に咲きます。通常は白い花です。

 萼と花びらは5つ、雄しべは多数あり、雌しべは1つです。

 図鑑では雄しべ多数って書いてあります。多数っていくつ? 30、50、100、500、1000・・で数えてみました。47~55本が多かったです。また、八重咲きの花びらは19~21が多いです。

 

 

 葉っぱは互生について、倒卵形~楕円形で、不揃いの鋸歯があります。表面は濃緑色で無毛、裏には淡緑色で脈腋に微毛があります。

⑦果実はほぼ球形の核果で表面には微毛があり、6月頃に黄色く熟します。クエン酸などの有機酸が多く、強い殺菌力があります。薬用として昔から利用されていて、下痢止め・食あたりなどに効果があり、生薬の「鳥梅」となっています。

⑧「フローラ・オブ・チャイナ」(中国の植物の本)ではウメは日本~朝鮮産とされています。

 

 

 日本では日本では弥生時代前期(紀元前11~4世紀)の古墳からウメの遺物が出土しています。台湾、大分県、宮城県の一部の山中に野生のウメが自生している・・との説もあります。

 一方、中国では殷(縄文時代の晩期で紀元前17世紀~紀元前1046年の王朝)の遺跡からウメの核が見つかり、栽培の歴史は3000年以上も前にあるとされます。中国には樹齢1600年以上の古木があります。ただ、なぜか中国では野生のウメは見つかっていないそうです。

 

⑨花ウメは大きく3つの系統に分かれます。

 

 「野梅(やばい)系」・・多くの品種が属するグループ名で特徴も様々。

この系統に属する品種が若枝の陽光面がやや濃い色をしているそうです。逆に陽の当らない裏面は緑色です(品種や個体差でも違いますが・・)。もともとの原種に近いタイプで、トゲ状の小枝が多い・また香りが高いのが多いグループです。

 この野梅系にはさらに「野梅性(やばいしょう)」と「難波性(なにわしょう)」と「紅筆性(べにふでしょう)」、「青軸性(あおじくしょう)」があります。

 主な品種は「一重野梅」「八重野梅」「八重寒梅」「冬至」「月影」「紅筆」「未開紅」「初雁」「道知辺」「見驚」「思いのまま」「紅冬至」「黄金鶴」などです。

 

 

 二つ目は

 「緋梅(ひばい)系」・枝の中心にある髄が赤いのが特徴です。でも髄の色なんて枝を折らないと分かりません。ので、若枝が全体的に浅黒いのが次の見分けのポイント。緋梅でも花の色は関係ありません。白い花でも髄が赤ければ緋梅系となります。

 この緋梅系にもさらに「紅梅性(こうばいしょう)」と「緋梅性(ひばいしょう)」、さらに「唐梅性(とうばいしょう)」があります。

 主な品種は「大杯」「緋梅」「紅千鳥」「唐梅」「幾夜寝覚」「八重関守」「蘇芳梅」「夏衣」「東雲」「緋の司」「雪の曙」「鈴鹿の関」「鹿児島紅」などがあります。

 

 そして三つ目が

 「豊後(ぶんご)系」です。 この仲間は「杏」の血統が入った梅です。

全体に枝が赤味がかった感じで節がゴツゴツするのがの特徴です。上の野梅系や緋梅系に比べて開花時期が遅いのが多いのと、花が大きいのが特徴です。

 この豊後系には「豊後性(ぶんごしょう)」と「杏性(あんずしょう)の2つのグループがあります。

 主な品種は「大湊」「桃園」「黒田」「楊貴妃」「武蔵野」「江南所無」「巻立山」「八重揚羽「一の谷」「緋の袴」「記念」「滄溟の月」などです。