花が少ない時期だと、葉痕を見たり、冬芽を観察していますが、これも葉の無い時に少し目立つようになっています。
「トゲ」です。 刺と書いたり、棘と書いたりしますが、漢字も痛そうです。
植物のトゲ(刺、いばら)は、棘状の構造の総称で、その刺の出来る成り立ちによって大きくは3つに分けることが出来ます。
①茎針・・・茎や枝が変形して出来るもの
②葉針・・・葉っぱや托葉、葉柄が変形して出来るもの。
③刺状突起体・・・毛と類似するもの、より粗いもの、例えばバラの刺。茎の表皮や樹皮から
出来るもの。
①フユザンショウ
超痛そう・・・
植物にとって身を守る手立てもいろいろありますが、この刺は全体からすれば少数派のようです。
その刺の役割は当然、
①動物の食害から身を守ること。
②ツル植物では身を守るだけではなく、他のものにこのトゲを引っ掛けたりして成長する。
③サボテンなどでは乾燥地のため身体の水分の蒸散量を抑える。
などが主な役目のようです。
②カシュウ
②カシュウ
葉の縁の鋸歯がトゲになっちゃうのがあります。
イネ科やカヤツリグサ科に多く、一番はススキかも。硬く鋭いガラス質です。土中から吸収したケイ酸です。
葉にトゲと言えば・・ヒイラギが代表、イラクサとか、コウヨウザン、ナギイカダ(葉のようだけど正しくは枝が変化したものらしい)、オニアザミなどです。
③サンショウ
④ボケ
また、茎や幹、枝にすごいトゲのあるもの
サイカチ、サンザシ、フユザンショウ、メギ、タラノキ、カラスザンショウ、フユザンショウ、カラタチ、ノイバラ、ハマナス、ハリエンジュ、ボケなどです。
⑤キナキリン
恐竜の骨のようなハナキリンのトゲです。 お見事って感じ。
こんな花が咲くのにね。
果実にトゲをつけて守っているのもあります。
一番は栗です。サンショウバラ、チョウセンアサガオなどもそうです。
茎や花柄などに逆トゲ状になったもの・・
アキノウナギツカミ、ママコノシリヌグイ、アカネ、ヤエムグラなどです。
⑥シャコバサボテン
⑦ピラカンサ
トゲと言えば「バラ」でしょう。
綺麗な花にはトゲがある・・・・とか。
サンショウバラの刺です。
やぁ、トゲって優れた防御服です。
防犯用に垣根に使われたりもします。
人間の刺が一番怖い・・なんて言ったりして・・。