この花も湿性植物園、水生植物園などでは一面に咲いて、満開になると水面を白く埋め尽くして綺麗です。

 また都会の大きな植物園などでも大切に栽培管理されています。

 

 

 「ミツガシワ」です。  漢字では「三槲」と書きます。難しい字です。

 ミツガシワ科、ミツガシワ属の多年草です。 

 

 

 この科、属も珍しいのですが、それもそのはず1科、1属1種の貴重な種です。

そして、さらに有名な話ですけど、祖先をたどるとそのルーツは氷河期の「生き残り」とされています。

 

 

 別名が「ミズハンゲ(水半夏)」、「ミズオモダカ」、「ミズゴボウ」などです。

 去年知ったこと・・「何故か猫がマタタビと同じくらい大好物」だそうです。

 故郷は北半球の寒冷地だそうで、具体的な地名は?・・寒冷の湿地が故郷です。

 そして、地下茎を伸ばして増えることが出来ます。なので群生します。

 

 

 葉っぱは3出複葉で互生して付きます。

 長い柄があって小葉は3つ、卵形で縁は波打ちます。 

 この葉っぱの形が「柏の葉に似ている」とされています。

 そしたら、これは家紋の「三拍」に似ているから・・という説がありました。

 この家紋は「丸に三拍」というもので、あの四国の「山内一豊」さんちでした。

 

 

 花は茎先に総状花序です。一つの花は1cmくらいでしょうか、10~20個くらいが咲きます。下から咲き上るタイプで、花冠は大きく5つに分かれ、この花びらの内側に白い細い毛がたくさんあります

 萼片は5つ、雄しべは5つ、雌しべは1つです。

 雌しべは、花柱の長い「長花柱花」と短い「短花柱花」があります。資料では「長花柱花」が結実することが出来る・・とありますが・・・?。

 

 

 そして、よく観察会などで説明される・・「氷河期の生き残り(残存植物)」ですが、専門的には「周北極要素」と言われます。130種ほどありますが、良く聞くのは「イワベンケイ」「ウメバチソウ」「キバナノコマノツメ」「クロマメノキ」「コケモモ」「ゴゼンタチバナ」「ツマトリソウ」「ミネズオウ」「ガンコウラン」「チョウノスケソウ」「ミヤマキンポウゲ」「ヤナギラン」「ワタスゲ」「モウセンゴケ」などです。

 

 

 江戸時代から葉を「睡菜(すいさい)」として、健胃の薬になったそうです。

 出来る果実は蒴果です。