桜の花の終わる頃、いやシラネアオイが咲く頃、上信越高原やその里山あたりで出会う花です。
今年は山野草もみんな早いので・・いつもより1か月早く会いに行きました。
ちょっと早かったけど、咲いているのもあって良かった。
「ハシリドコロ」です。 漢字では「走野老」ですが「莨菪」とも書くようです。
ナス科、ハシリドコロ属の多年草です。
暮らしているのは本州、四国、九州。主に山間の少し湿気のある所です。
群生することが多いです。
大切な日本固有種です。
でも食べるな危険、取り扱いは「要注意」です。
別名がスゴイんです。「キチガイナスビ」、「キチガイイモ」、「オニヒルグサヤ」だって。
それに「オメキグサ」、「ホメキグサ」、「ナナツギキョウ」とも。
これはあの平賀源内(発明家として有名、ウナギ屋に土用の丑の日で有名ですが、本草学の先生でもあった)の『物類品騭』にあります。
では、和名のホメキグサ、東都方言「ナナツギキョウ」、肥後方言「ハシリドコロ」を紹介しているそうです。
そしてこれを生薬として作った「ロートコン」のロートは源内先生が命名したとか・・。
江戸時代の後期にあのシーボルトが薬効に気が付いて、以降「ベラドンナ」の代用(ロートコン)として使われるようになったそうです。
でも、猛毒で昔から有名。新芽を春の山草として食べて錯乱状態になり、嘔吐、下痢、血便、瞳孔散大、めまい、幻覚、そして走り出したりするそうです。
これを触った手で目をこするだけでも瞳孔が開いてしまうので要注意です。
でもいっぱい触ってしまったぁぁ。
葉っぱは対生について卵形で葉脈がくっきりしています。
花は葉脈から釣鐘状でホタルブクロみたいでしょ。
萼は緑色の鐘形で先が浅く5裂し、花は5裂し、雄しべは5つで花糸の基のところに細い毛があります。雌しべは1つです。
出来る果実は球形の蒴果です。
そして、これも早春に芽を出し、夏には枯れて地下で休眠します。