この花は山登りを始めたころから知ってましたよ。名前を先に覚えた花です。

 でも最近は少なくなっている感じがしますが・・どうなんでしょうか?

 

 「シナノナデシコ」です。 漢字では「信濃撫子」です。

 

 別名が「ミヤマナデシコ(深山撫子)」です。

 ナデシコ科、ナデシコ属の多年草です。そして日本固有種です。

 本州の中部以北の山岳~亜高山帯の河原、荒れ地に暮らしています。

 

 このナデシコよりも有名なのが、山では「タカネナデシコ」です。

 また、里では「カワラナデシコ」があります。カワラナデシコはナデシコの代表です。あの七草もカワラナデシコです。

 

 葉っぱは線状形の倒披針形で先も尖った特徴的に葉で、シナノナデシコの葉は縁に突起状の毛があります。

 花も特徴があります。花は集散状にたくさんつきます。

 ナデシコの花は花びらの先が糸のように細かく裂けているのが多いのですが、このシナノ君はそんなに深く裂けていません。

 花は紅紫色です。花びらは5つ、基部には毛があります。萼は筒型で萼も先が5裂し少し裂けています。萼の基部には2対に苞があります。

 

 このナデシコも「雄性先熟」です。開花すると雄しべが元気に成熟して花粉を出します。雄しべは10本ありますが、10本の雄しべもバラバラに伸びて、全部揃うのに数日かかるそうです。そのあと、雌しべが成長、成熟して柱頭が2裂して受粉できるようになります。