多くの花は毎年会えるとは限りません。
というより会えることができると「ラッキー」って思います。
やっぱり山でこのラン科の花に出会えると嬉しくなります。
高山植物で、ラン科で、日本固有種なら3拍子揃ってですが、固有種ではありませんでした。
「トキソウ」です。 漢字では「鴇草」です。
ラン科、トキソウ属の多年草です。
生まれ故郷は主に東アジア、日本、千島、朝鮮、中国です。
トキソウにはどうやら2種類あるようで・・・
それは「トキソウ」と「ヤマトキソウ」です。
トキソウは日本では北海道~九州の日当りのよい湿地、沼地で暮らしています。
草丈は10~30cmくらいです。
葉っぱは茎の中ほどに1つで、形は披針形や線状の細い長楕円形です。
花の下にある苞が小さい葉のように見えます。距はあません。
肝心の花はちょっと小ぶりで、これも可憐というのがピッタリ。
図鑑には「側萼片は幅がやや狭く、側花弁はやや短い。
唇弁は3裂して中裂片が最も大きくて、肉質の突起がたくさんあります・・」
一方の「ヤマトキソウ」は北海道~九州の山地、亜高山帯の草地で暮らしています。
トキソウよりも小ぶりで草丈は10~20cmです。こちらも葉はひとつ。
花の下に葉のような苞があります。小さめなので、たしかに草の中では花がないと全く気が付きません。
図鑑ではトキソウよりも花色が淡くて殆ど白に近いものもあるそうです。
そして、満開時も花を開きません。花のつくりはトキソウとよく似て、萼片は狭い線状披針形です。
唇弁が直立しますが、トキソウのように花の外に出ることはなく、側裂片には肉質の突起が密生します。
トキって「鴇」という字と「朱鷺」があります。「日本の野草」という図鑑では「朱鷺」を使っています。結構適当?でいいです。