7月後半から ton-cara で『藁まぶし作りワークショップ』を始めます。

初回の日程は、ton-caraのフセさんがご参加者さまのご希望日をお聞きし決めます。定員に満たない場合は ton-cara のホームページや Facebook、Instagram にて募集します。

 

このワークショップのために新しい編機を製作しました。現在では編機は古いものを探さないと手に入りません。編機の販売も予定していますのでご期待ください。

 

藁まぶし作りワークショップ

● お問い合せ先:くらし手しごと舎 ton-cara

 

 

 

 

 

さて、NHK連続テレビ小説『エール』の第11週目が放送されました。放送後にFacebook や Instagram 等にコメントをたくさんいただきました。ご覧いただき、ありがとうございました!!

 

『エール』の放送後、義母に「あれは何をしているところなの?」と質問されました。養蚕が盛んな群馬県であっても係ったことがなければ知らないでしょう。ましてや全国となるともっと知らないですよね。そこで藁まぶしの説明を少ししてみます。

 

 

 

 

 

「まぶし」とは、蚕が繭をつくるときに用意する養蚕道具のことです。まぶしのルーツは、野生の蚕が食用の木の葉に包まって繭を作る習性を人間が観察し、それをヒントに工夫したのでしょう。江戸時代の養蚕の指南書には木の枝などを使い、そこに蚕を入れて繭をつくらせている絵がみられます(上記の図は「養蚕秘録・中巻」より)。明治時代初期には、藁を材料にした様々な「まぶし」が盛んに出始め、その後も変遷があり「藁まぶし」は大正時代末期から昭和前期までに広く使われたとされています。

 

『エール』で養蚕農家が登場したのは「船頭可愛や」が大ヒットした頃のお話です。

これは昭和10年頃になります。ちょうど藁まぶしが使われていた頃です。

 

 

 

 

 

藁まぶしの使い方は、波形に編んだまぶしを上記写真のように平籠に紙やムシロを敷いた上に広げます。そこへ糸を吐き始めた蚕を振込みます。

 

 

 

 

 

蚕たちは気に入った場所を見つけると、そこで本格的に糸を吐き繭をつくります。

藁まぶしは蚕が繭を作りやすいような形に編まれています。この形と編み方を発明した人は凄いです。

 

現在では回転まぶしという道具を使うのが一般的ですが、この藁まぶしの方が蚕には居心地が良いようで、回転まぶしで繭を作らないデリケートな蚕も藁まぶしの中だと容易に繭をつくります。

 

 

 

 

 

この藁まぶしは最盛期には既製品を売る業者があったそうです。また、昭和1桁台生まれの農家さんに聞いた話では、昔は農協で藁まぶしを編む機械も販売していたのだとか。

 

養蚕農家にとって藁まぶしつくりは、農閑期の仕事でした。「エール」の話に戻りますがドラマのシーンでは、みんなセーターやコートを羽織っていましたね。あれはたぶん冬なのです(少なくとも農閑期)。だからドラマの中で養蚕農家の畠山夫妻は藁まぶしを編んでいたのです。

 

 

 

 

 

ちなみに、奥さんが使っていた道具も藁まぶしをつくる機械です。「島田まぶし」というもので、前述の藁まぶしと同時期に使われていました。2種類の作り方と編機(折機)をドラマの中で見られたのは面白かったと思います。7月に開催予定のワークショップでは、こちらの使い方もご紹介します。ぜひご参加ください。